今週の子どもの自立・進路・若者支援ニュース|親の関わり方と社会参加の選択肢【2026年10月12日〜18日】

2026年10月12日〜18日にSK進路で公開した記事から、子どもの自立、親の関わり方、進学、不登校、若者の社会参加に関する15本をまとめます。

今週は、親子への調査や養育に関する研究に加え、住居、オンライン交流、地域活動、仕事体験を通じた若者支援を取り上げました。海外の制度は、それぞれの地域の対象条件や実施状況に沿って紹介します。

目次

不登校家庭への調査――親の対応の振り返りは設問ごとに回答人数が異なる

椎名ストレスケア研究所が公表したアンケートでは、子どもを思いどおりに動かそうとした経験について、回答した保護者59人のうち「良かった」と振り返った人は0%でした。

一方、「自分が頑張れば解決できる」と考えて行動した人は、別の設問の回答者75人の98.7%でした。

調査は、不登校の保護者コミュニティで2025年12月〜2026年4月に複数回実施されました。コミュニティの約3,500人全員が回答したものではなく、全国の不登校家庭を代表する調査でもありません。

保護者の経験を振り返った結果であり、特定の対応が不登校の改善や悪化を引き起こしたと判断することはできません。

関連記事:不登校の親59人、子を思いどおりに動かして「良かった」0%

出典:調査主体の発表

中国の親子436組――自主性への支援と、その後の親の状況把握に関連

中国・広州市の公立中学校の生徒と保護者436組を対象にした研究では、6か月間隔で3回の調査が行われました。

子どもが親から自主性を尊重されていると感じる家庭ほど、その後、親が子どもの学習・生活状況を把握している程度が高い傾向が確認されました。学業成績との間には、親による状況把握を介した間接的な関連も見られました。

親の価値観によって関連の強さには違いがあります。また、観察研究のため、自主性を尊重する関わりが成績向上を引き起こしたと証明したものではありません。

関連記事:子どもの自主性を尊重する親ほど、学習状況も把握できる

台湾の青少年6,507人――ネット利用への強い関与は、問題の種類で関連が異なる

台湾の追跡研究は、2023〜2025年の3回分のデータがそろった青少年6,507人を分析しました。

親の関わり方は「強い関与」「共有・励まし」「関与が少ない」「制限・反対」の4類型に整理されました。

強い関与型では、利用への衝動や離脱症状と生活満足度との負の関連が弱まる一方、学業や人間関係などに深刻な問題がある場合には、その後の生活満足度の低さと結びつく傾向がありました。

共有・励まし型には、抑うつ症状との関係で保護的な傾向が見られました。ただし、親の関与による因果的な効果を確定した研究ではありません。台湾での結果を日本の家庭全体へそのまま当てはめることもできません。

関連記事:子ども6,507人調査、スマホへの親の強い関与は逆効果にも

出典:研究論文

受験を支える親――中学受験90.9%、高校受験83.3%が負担を経験

コクリコが公表した保護者125人への調査では、受験サポートで疲れや精神的負担を感じた割合は、中学受験の回答群で90.9%、高校受験の回答群で83.3%でした。

受験サポートを主に一人で担う割合は、中学受験50%、高校受験55.6%でした。これらは125人全体に共通する割合ではなく、受験区分ごとの結果です。

中学受験では予定管理、高校受験では費用などが負担として挙がりました。子どもへの接し方には、学習を具体的に手伝う例や、相談されたときに一緒に考える例が紹介されています。

登録者やメールマガジン会員を対象とした調査であり、全国の受験家庭を無作為に抽出したものではありません。

関連記事:中学受験の親90.9%が疲労、半数が一人で支援

日米英の成人1,401人――肯定的な養育経験と現在の幸福感に関連

日米英の18〜34歳1,401人を分析した研究では、子ども時代の肯定的な養育経験と、成人後の幸福感や生活満足度、人間関係との関連が確認されました。

養育経験には、親や養育者の応答的な関わり、家庭の肯定的な雰囲気、子ども主導の遊びなどが含まれます。

成人が子ども時代を振り返った観察研究であり、養育行動を幼少期から追跡したものではありません。また、子ども主導の遊びだけの独立した効果を確定した結果でもありません。

経済ゲームで測定した向社会的行動には、全体として一貫した関連が確認されませんでした。

関連記事:子ども主導の遊びを含む養育経験、成人後の幸福と関連

習い事を始めない52家庭のうち38家庭で、子どもに学びたいことがあった

miraiiによる小学生の親子100組への調査では、保護者の52%が、この秋に新しい習い事や学習、体験を始める予定はないと回答しました。

その52家庭のうち、子どもが何らかの「やってみたい・学んでみたいこと」を挙げていたのは38家庭、73.1%でした。73.1%の分母は100家庭全体ではありません。

全体では、保護者の81%が新しい学びを増やすことに家計負担を感じ、38%が費用を理由に子どもの希望する学びを変更・見送りした経験がありました。

親子の回答の違いは確認されましたが、個々の家庭で希望が実現しなかった理由を詳しく追跡した調査ではありません。

関連記事:習い事を始めない家庭でも、子ども73%には「やりたいこと」があった

道徳教材34項目の分析――服従と自律的な判断を区別する理論研究

中国の道徳教材『弟子規』を扱った論文では、選ばれた34の教えを心理学の理論と照合しました。

研究者は、行動の標準化、服従の強化、感情表現の抑制という仕組みを仮説として提示しています。一方、教材には理由による説得や、疑問を確かめることを重視する記述もあるとしています。

実際の親子への調査や教育介入の効果測定ではありません。教材を学ぶと子どもの主体性が低下する、あるいは向上すると実証した論文ではなく、指示に従うことと、意味を理解して判断することを区別する理論的な検討です。

関連記事:親に従う教えと子の判断力、道徳教材34項目を分析

イタリアのNEET調査――無業状態を6つのタイプに整理

イタリア労働・社会政策省が紹介した調査では、15〜34歳のNEET状態にある若者1,500人以上を分析し、状況を6タイプに整理しました。

初めて労働市場へ入ろうとしている人、不安定な仕事を繰り返す人、資格や能力と仕事が合わない人、働く意思はあるが積極的に求職していない人、支援機関から把握されにくい人、家族のケアなどで動けない人です。

回答者の60%超には就労経験があり、86.8%は現在の状態を変えたいと回答しました。

記事で併記した国全体のNEET率は15〜29歳を対象とするため、この調査の対象年齢とは異なります。

関連記事:ニート若者、「無業」だけでは6タイプに分かれる

オーストリアの支援――住まいと仕事訓練を組み合わせる

カプフェンベルクの「HALTEGRIFF」は、義務教育を終え、訓練先や就職先がなく、家庭で暮らし続けることも難しい若者に、住居と仕事訓練を提供しています。

公式資料では対象をおおむね15〜21歳とし、仕事訓練には職業選択の支援、木工・金属・事務・ITなどの実践、企業実習などを含めています。生活訓練では、家事、生活管理、共同生活などを扱います。

欧州青年ポータルでは最大16人を支援できると紹介されています。これは施設の受入規模であり、就職した人数ではありません。

関連記事:ニート若者に「住まい+仕事訓練」の次の道

イタリアの地域支援――家族・専門職への講座と、企業での仕事体験

マントバでは、社会的ひきこもりをテーマに、10月12日は専門職向け、13日は保護者・地域住民向けの講座が案内されました。

背景にある「Shake the Future Next」は、教育・雇用・職業訓練に参加していない16〜29歳を対象とする事業です。少なくとも150人に接触し、50人以上を就労につなげることを目標としています。いずれも目標であり、達成済みの実績ではありません。講座の参加人数や開催後の成果も、記事で確認した資料には示されていません。

別の地域であるトリノでは、企業と家族支援団体が協力し、ひきこもり状態の若者に仕事体験を提供する試行が紹介されました。受入企業側の環境調整も扱っていますが、参加人数、体験期間、雇用移行人数、定着率は確認できません。

関連記事:ひきこもり若者の再接続へ、家族と専門職に別々の講座/ひきこもり若者に企業での仕事体験、職場側も変える

同名の「RECONNECT」――オンライン交流と支援離脱防止は別事業

今週紹介した二つの「RECONNECT」は、同名ですが別の国際事業です。

イタリアを中心とする5か国の事業は、2025年10月〜2027年9月の計画です。学校年代の若者の社会的孤立に対応し、教員研修、同年代による支援、オンラインゲーム型の交流などを開発します。ゲームを使った支援による復学・就労の成果は、現時点では確認されていません。

ラトビアの団体が主導する事業は、2026年9月〜2028年8月の計画です。支援から離れる兆候の把握、個別の事情に応じた進路相談、仕事との接続を支える道具を開発します。若者20人、支援者20人による試行を計画しており、就職実績を示す人数ではありません。

関連記事:ひきこもり若者の社会復帰に「オンラインゲーム」を活用/ニート若者の支援離脱防止へ「3つの道具」

地域活動と個人の経験――社会参加した後の進路も一つではない

ポルトガルなど3か国の「LOUD & CLEAR」では、若者が地域課題の解決策を考える活動を実施しています。8月の国際ハッカソンには60人以上が参加しました。

事業はNEET状態の若者などを重視していますが、参加者全員がNEETだったという資料はありません。事業全体の300人以上の直接参加、2万人以上への情報到達は目標であり、進学率・就職率の実績も確認されていません。

また、イタリアの料理番組に参加したマッテオ・リー氏の記事では、自宅中心の生活から新たな人間関係を経験した後も、料理を職業にするつもりはないという本人の意向が紹介されました。本人は金融投資の仕事を続けており、長期無業からの就労移行事例ではありません。

関連記事:ニート若者も対象、地域の課題解決を企画/「ひきこもり」と呼ばれた男性、料理は仕事にしない

親の支えと、本人が選ぶ経験

今週の記事は、親の関わり方、生活環境、交流の機会、仕事体験を、それぞれ異なる調査や事業として示しています。子どもや若者の進路を考える際には、周囲が整える条件と、本人が希望を持ち、試し、選ぶ経験を分けて捉える材料になります。

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