子どもには、やってみたいことがある。しかし、家庭では新しい学びを始める予定がない。
そんな親子の意識の違いが、新たな調査で明らかになった。
2026年10月9日、子ども向け教育サービスを展開する株式会社miraiiは、小学生の親子100組を対象とした「子どもの新しい学びに関する実態調査」を公表した。
保護者の52%が、この秋に新しい習い事や学習、体験を始める予定はないと回答した。
ところが、その52家庭のうち73.1%にあたる38家庭では、子ども自身が何らかの「やってみたい・学んでみたいこと」を挙げていた。
子どもの希望と、親が実際に用意する学習機会には違いがあった。
親子100組に同じテーマを質問
調査は2026年9月16〜24日にWEBアンケートで実施された。
対象は小学生の子どもとその保護者100組である。

子どもには新しく学びたいことや理由を尋ね、保護者には始めさせたい学び、家計負担、教育への期待などを尋ねた。
子どもの86%が、何らかの新しい学びや体験に関心を示した。
最も多かったのは「科学・ものづくりなどを体験すること」の33%。続いて英語・外国語23%、スポーツ22%、読書・作文22%、仕事体験21%だった。
一方、保護者が始めさせたい学びでも科学・ものづくりが最多だったが、その割合は20%にとどまった。
同じ親子でも希望は一致しない
子どもが科学・ものづくりを希望した33家庭のうち、保護者も同じ学びを選択したのは9家庭、27.3%だった。
仕事体験を希望した21家庭では、親も同じ項目を選んだのは5家庭、23.8%。
プログラミング・ITでは20家庭中8家庭、40%だった。
これは、親が子どもの希望を否定したという意味ではない。
保護者が回答したのは、始めさせたい、またはすでに始めた学びである。子どもの興味を知っていても、費用や時間、ほかの予定などから実行しない場合が考えられる。
それでも、子どもの関心と親が選ぶ学習機会が一致していない家庭があることは確認できる。
81%の親が家計負担を感じていた
希望を実際の学びにつなげる際、大きな条件となるのが費用である。
保護者の81%は、新しい習い事や学びを増やすことが家計の負担になると回答した。
また、38%が費用を理由に子どもの希望する学びを変更・見送りした経験があった。
変更・見送りを検討しただけの家庭も含めると73%となる。
一方、希望する学びの費用が高い場合、52%はより安価な同種のサービスを探し、36%は無料・低価格の体験機会を探すと回答した。
さらに32%は、費用について子どもに説明し、一緒に考えると答えた。
家庭の経済的な条件があるなかで、子どもの希望をどのように扱うか。保護者の対応にも違いがある。
親の82%は「自分で考え、判断する力」を期待
今回の調査では、学校外の学びを通じて身につけてほしい能力も尋ねた。
最多は「自分で考え、判断する力」の82%だった。
続いてコミュニケーション力63%、自分の好きなことや興味を見つける力61%、得意なことを知り伸ばす力59%となった。
学校の勉強に役立つ学力を選んだ保護者は24%だった。
多くの保護者が、学力だけでなく、子ども本人が考えたり、自分の興味を見つけたりする力を期待している。
一方、実際に何を学ぶかについては、親子の希望が一致しない場合がある。
「自分で判断する力を身につけてほしい」という期待と、「学ぶ内容を本人が選ぶ」という経験は、必ずしも同じではない。
親が決める条件と、子どもに任せる判断
子どもが何かを学びたいと希望したとき、親には費用、安全、時間、家庭生活との両立を考える責任がある。
希望したことをすべて実現する必要はない。
ただし、実現できない理由を親だけで判断する場合と、条件を本人に伝えて一緒に考える場合では、子どもが担う役割が異なる。
例えば、習い事の予算を親が決め、その範囲で何を体験したいかを子どもが比較することもできる。
希望する教室に通えなくても、短期間の体験や別の方法を本人と探すことも考えられる。
親が条件を整えることと、本人が選択に参加することは両立し得る。
ただし、今回の調査は、こうした役割分担が自己決定能力を高めるかどうかを検証したものではない。
希望を持つことと、実行することの間
今回の調査は100組を対象としたもので、全国の小学生家庭を代表する統計ではない。
また、子どもが希望を実現できなかった理由を、家庭ごとに詳細に追跡したものでもない。
それでも、子ども自身が希望する学びと、親が実際に始めさせようとする学びの間に差があることが確認された。
親が何を与えるかだけでなく、子ども本人が何を選び、どこまで判断に参加するか。
教育への投資と子どもの主体性を考えるうえで、具体的な材料となる調査である。
出典: 株式会社miraii「『勉強の秋』子どもの新しい学びに関する実態調査」、2026年10月9日公開。

