大阪府人事委員会は2026年10月15日、職員の給与等に関する報告・勧告を公表した。
教員に直接関係する変更として、2027年4月に設置予定の「主務教諭」を新たな給与上の級に位置付け、教育職給料表を6級制に再編するよう勧告した。
主務教諭は、一般の教諭と主幹教諭などの間に位置する職だ。学校を横断する業務の調整や、経験の浅い教職員への体系的な支援を主な職務として想定している。
さらに、教諭と同等の職務や責任を担う臨時的任用教員についても、適正な給与上の級に位置付けるよう求めた。
今回の発表は、教員の給与を一律に引き上げるだけでなく、どのような仕事と責任を担う教員を、どの給与区分で評価するかという制度の変更に関係する。
2027年4月から教育職給料表を6級制へ
大阪府の勧告では、主務教諭の設置に合わせて教育職給料表を再編する。
新しい主務教諭の職務の級は、教諭より上、主幹教諭等より下に位置付ける。
改定の実施時期として示されたのは、2027年4月1日だ。
主務教諭の主な職務には、学校横断的な取り組みに関する校内外の総合調整と、経験年数の少ない教職員への支援が含まれる。
つまり、授業だけを担当する教員と、学校全体の管理運営を担う職との間に、新たな役割を設ける構想である。
ただし、2026年10月15日時点では人事委員会による勧告の段階だ。給与制度の改定には、知事による取扱いの決定や府議会での条例改正手続きが必要となる。
また、主務教諭への任用条件や対象人数、個々の教員の給与増加額について、今回の概要資料だけで一律に判断することはできない。

主務教諭は、単なる昇給ではない
新しい職が設けられることは、教員にとって待遇改善の可能性になる一方、担当する役割にも関係する。
大阪府人事委員会は、主務教諭への任用について、職務の複雑さ、困難さ、責任の程度に基づき適正に行うよう求めている。
なお、大阪府教職員組合は2025年11月、主務教諭等の設置について、管理監督する立場ではないことや、新たな役割・負担が生じるものではないことを十分に説明するよう府教育庁に求めていた。
このため、給与上の位置付けだけでなく、実際の職務内容がどう定められるかも重要となる。
昇進によって給与が改善しても、本人が希望する仕事と異なる役割を担うのであれば、進路上の評価は変わる。

臨時的任用教員の給与区分にも言及
今回の勧告には、正規教員だけでなく、臨時的任用教員に関する重要な指摘もある。
大阪府人事委員会によれば、現在、臨時的任用の教育職員は講師として教育職給料表の1級が適用されている。
一方、臨時的任用であっても、教諭と同等の職務内容や責任を担う場合がある。
そこで人事委員会は、職務や責任が同等である場合には、適正な職務の級への格付けを行うよう求めた。
ただし、今回の指摘によって臨時的任用教員全員の給与区分が直ちに変更されたわけではない。
具体的な運用や対象者は、今後の対応を確認する必要がある。
給与改定では地域手当と賞与も対象
主務教諭の給与制度とは別に、大阪府人事委員会は2026年度の給与改定も勧告した。
主な内容は、府域内の地域手当を12.8%から13.2%へ引き上げること、期末・勤勉手当の年間支給月数を4.65か月から4.70か月へ引き上げることだ。
月例給については、民間給与との較差3.09%を解消する方向を示した。
ただし、3.09%は行政職の民間給与比較に基づく数字であり、大阪府の教員全員の給与が3.09%上がるという意味ではない。
また、行政職の平均年間給与額が約22万9,000円増えるとの試算も、教員の平均増加額として使用することはできない。
2026年度の給与改定は4月1日への遡及を勧告している一方、主務教諭に伴う給料表の再編は2027年4月1日を予定している。両者は実施時期が異なる。
教員本人が確認すべき進路上の違い
今回の勧告から、少なくとも二つの異なる立場の教員に関係する論点が見える。
一つは、教職を続けながら職務上の役割や待遇を変えたい正規教員だ。
主務教諭という職が設けられる場合、給与の級だけでなく、任用条件、職務内容、学校内での役割を確認する必要がある。
もう一つは、臨時的任用として働く教員だ。
正規教員と同等の仕事を担当している場合、職務と給与区分がどのように対応するのかが重要となる。
いずれも、今回の勧告だけで個人の昇進や給与改善が確定するわけではない。
しかし、教職を続ける場合に、従来の職務と待遇がどのように変わる可能性があるかを確認できる具体的な材料である。
出典
大阪府人事委員会「職員の給与等に関する報告及び勧告」(2026年10月15日)
https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/fumin/o210020/prs_49917.html
大阪府教職員組合「主務教諭等の設置について大阪府教育庁に意見を提出」(2025年11月25日)

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