ニート若者も対象、地域の課題解決を企画 -ポルトガル-

ニート状態にある若者の社会参加を支える方法は、就職相談や職業訓練だけではない。

ポルトガル、スロベニア、エストニアの3か国では、若者が地域社会の課題を見つけ、自分たちで解決策を考える国際事業「LOUD & CLEAR」が進んでいる。

2026年9月15日、ポルトガルの支援団体Rosto Solidárioは、8月21〜22日にスロベニアの首都リュブリャナで開催された国際ハッカソンの成果を報告した。

参加したのは3か国から集まった60人以上の若者。このうち10人は、ポルトガルのRosto Solidárioが参加を支援した若者だった。

注目されるのは、若者を単に支援される側に置かず、地域の問題を考え、解決策を提案する側に置いていることだ。

ニート状態の若者も対象とする国際事業

LOUD & CLEARは、2026年2月に始まり、2027年5月まで続く国際共同事業である。

ポルトガルのRosto Solidário、スロベニアのYpsilon Institute、エストニアのShokkin Groupが参加する。

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対象は幅広い若者だが、特に教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していないNEET状態の若者、農村部の若者、社会的に不利な環境にある若者などを重視している。

事業全体では300人以上の若者の直接参加と、デジタル活動を通じた2万人以上への情報到達を目標としている。

ただし、300人と2万人は今後の目標であり、すでに達成した人数ではない。また、8月の参加者60人以上が全員NEET状態だったという資料もない。

就職ではなく「地域で何をするか」を考える

8月21〜22日の国際ハッカソンは、「Nobody’s Coming to Save Us」という名称で開催された。

参加者は国籍の異なる若者同士でチームを組み、自分たちの地域が抱える問題を探した。

そのうえで、問題への解決策を考え、地域で実行できる活動の提案にまとめた。

参加者には、人工知能の活用、人前での発表、欧州の市民参加などに関する助言も提供された。

最終的には、それぞれのチームが企画を発表した。

就職先を探すためのイベントではなく、若者が社会の問題に関わり、自分の考えを形にする活動だった。

ポルトガルでは25人が事前活動に参加

国際ハッカソンに先立ち、ポルトガルでは7月13〜14日に地域のブートキャンプが実施された。

参加したのは15〜29歳の若者25人。

ニュースや情報の信頼性を判断する方法、誤情報の見分け方、市民として地域社会に参加する方法などを学んだ。

講義を受けるだけでなく、参加者同士で考え、話し合い、活動する非公式教育の方法が使われた。

ここでいう非公式教育とは、学校の正規課程とは異なる場で行われる体験型の学習を指す。

仕事や学校から離れている若者にとっても、社会と接点を持つ方法は一つではない。

地域活動や共同作業を通じて、コミュニケーション、問題解決、他者との協力などを経験できる。

その後は若者自身が活動をつくる

LOUD & CLEARでは、地域のブートキャンプや国際ハッカソンだけでなく、若者が主導する活動を複数計画している。

芸術や文化を通じた市民参加イベント、3か国間のデジタル交流、若者が共同で作成する提言などだ。

最終段階では、オンラインイベント「DEMO-CONNECT」を開催し、参加者が作成した若者の提言を政策決定者へ届ける構想となっている。

つまり、参加者は用意された講座を受けるだけではない。

自分たちで問題を見つけ、活動を企画し、社会に提案する役割を担う。

もっとも、こうした活動が実際の政策変更や継続的な社会参加につながったかは、今後の検証が必要となる。

ニート状態からの次の道は就職だけではない

ニート状態にある若者への支援では、教育や職業訓練、就労への接続が重要な目標となる。

しかし、長く学校や仕事から離れていた人が、すぐに進学先や就職先を決められるとは限らない。

人と協力すること、自分の意見を伝えること、地域で役割を持つことなども、社会との接点を取り戻す過程になり得る。

LOUD & CLEARが提供するのは、こうした就職以外の社会参加の機会だ。

一方、この事業は職業訓練や就職紹介を直接行う制度ではない。参加後の進学率や就職率、NEET状態からの移行人数も、現在公表されている報告では確認できない。

また、長期のひきこもり状態にある人が、どのような段階を経て参加できるのかも明らかではない。

それでも、若者が社会に参加するための入口を、仕事や学校だけに限定していない点には特徴がある。

社会参加を経験してから、学び直し、就職、地域活動など、次に何を続けるかを考える道もある。

ポルトガルなど3か国の取り組みは、ニート状態の若者に対する支援の選択肢を広げる事例となっている。

出典

  • Rosto Solidário「60 young people learning about Critical Thinking and Active Citizenship」(2026年9月15日)
  • Rosto Solidário「Jovens de três países unidos pela participação cívica」(2026年9月8日)
  • Rosto Solidário「LOUD & CLEAR」事業概要
  • Rosto Solidário「Rosto Solidário Promotes Critical Thinking and Active Citizenship」(2026年7月27日)
  • Shokkin Group Estonia「Experience | Loud & Clear hackathon」(2026年8月28日)
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