ニート状態にある若者を支援につなげても、途中で参加しなくなれば、進学や就職には結びつかない。
ラトビアで2026年9月1日、若者が支援から離れることを防ぎ、教育・職業訓練・就労へつなぐための新事業「RECONNECT」が始まった。
欧州連合(EU)のErasmus+による事業で、実施期間は2028年8月31日までの2年間。予算は6万ユーロとなっている。
特徴は、ニート状態にある若者への直接支援だけではなく、支援する側が若者との接点を維持するための仕組みを開発することにある。
ニート若者20人と支援者20人が試行に参加
RECONNECTを主導するのは、ラトビアのIrish Latvian Chamber of Commerce(ILCC)である。
ラトビアのダウガフピルス大学、トルコの教育財団や起業支援団体などが参加する国際共同事業だ。
事業では、ラトビアとトルコから支援者20人、NEET状態にある若者20人を試行活動に参加させる計画となっている。
目的は、若者が仕事や教育から離れた理由を把握し、支援機関が継続的に関われる方法を確立することだ。
20人は今後の試行対象であり、すでに就職や進学が実現した人数ではない。

開発するのは3種類の支援ツール
事業では、若者の支援離脱を防ぐため、主に3つの機能を持つ道具を開発する。
1つ目は「早期警戒(Early Warning)」。
若者が教育や訓練、支援から離れる兆候を把握し、接点が失われる前に対応するための仕組みだ。
2つ目は「包摂的な進路相談(Inclusive Guidance)」。
若者それぞれの事情や困難に応じて、相談や支援方法を調整する。
3つ目は「仕事との接続(Workforce Connection)」。
教育・訓練から労働市場へ進むための接点を強化する。
これらを支援者向けのツールキットとしてまとめ、実際の支援現場で試す計画となっている。
ラトビアではニート若者が再び増加
ラトビア中央統計局によると、2025年の15〜24歳のNEETは1万7,100人、同年代の9.1%だった。
2023年の7.2%から、2024年には9.0%、2025年には9.1%へ上昇している。
さらに、25〜29歳では15.4%がNEET状態にあり、人数は約1万2,200人となっている。
15〜29歳全体では約2万9,300人に上る。
年齢が上がるほど、仕事にも学びにも参加していない割合が高くなる傾向がある。
ラトビア政府は、15〜24歳のNEET割合を2027年までに6.0%へ引き下げる目標を掲げている。
支援につながった後も課題が残る
NEET状態にある若者への支援では、相談窓口に来てもらうことや、職業訓練に参加してもらうことが重要になる。
しかし、それだけでは十分ではない。
参加後に通わなくなる場合もある。訓練を終えても次の進学先や就職先が決まらない場合もある。
RECONNECTでは、若者本人の困難だけでなく、支援機関側の能力や不足している仕組みも調査する。
支援者がどのように若者の状況を把握し、本人に合う相談を行い、教育・訓練・就労とのつながりを維持するかを検証する。
ただし、支援終了後の追跡期間や具体的な就職目標人数は、今回確認した事業概要には示されていない。
「支援を受けた後」の進路をどうつなぐか
今回の事業が扱うのは、単にニート状態から就職へ移ることではない。
本人が教育や訓練に参加した後、次の活動へ進めるかどうかも問題となる。
長く学校や仕事から離れた人の場合、相談、学習、職業訓練、就労などの段階を一度に進むとは限らない。
途中で迷ったり、当初考えていた仕事が合わないと分かったりすることもある。
そのとき、支援が途切れるのではなく、本人の状況を確認し、次の選択肢につなぎ直せる仕組みが必要になる。
ラトビアのRECONNECTは、こうした支援の継続性を高めるための実証事業だ。
現時点では成果が確認された制度ではない。2028年までの試行によって、どのような方法が有効なのかが検証される。
ニート状態から一度支援につながることと、その後の進路が決まることは同じではない。
今回の事業は、その間にある支援の途切れを減らそうとする取り組みとなっている。
出典
- Irish Latvian Chamber of Commerce「RECONNECT – Reinforcing Youth Workers’ Competences for NEET Inclusion and Engagement」2026〜2028年事業
- ラトビア中央統計局「NEET若者の社会的包摂に関する統計」2025年データ
- Eurostat「Fewer young people not in work or education in 2025」2026年5月28日

