精神的不調によって退職し、再就職を目指していた30代の人が、就職活動をいったん中断した。その後、9か月の自立訓練を通じて新しい目標を見つけ、通信制大学への進学を選んだ。
2026年7月28日、自立訓練事業所「エンラボカレッジ」が利用者Tさんの体験談を更新した。
今回の特徴は、就職を急いでいた本人が、かつて諦めた大学進学と、新たに見つけた福祉の仕事という二つの希望を結びつけたことである。
退職後、再就職を目指したが体調が悪化
Tさんは30代。職場の人間関係のトラブルをきっかけに精神的不調を経験し、退職した。
公表された診断名は双極性障害と複雑性PTSDである。
休養後、再就職を目指して就労移行支援事業所に約1年間通った。

通所日数を増やし、書類選考や職場実習が現実的になってきた頃、過去の職場でのつらい経験を書き出す自己理解の課題に取り組んだ。
これをきっかけに過去のトラウマが強く現れ、体調が悪化した。
Tさんは訓練を続けることが難しくなり、支援員に相談した。
就職以外にも進路があると知った
就労移行支援の職員から紹介されたのが、エンラボカレッジだった。
ここでTさんは、卒業後の進路が就職だけではないことを知った。
就労移行支援への再挑戦、大学への進学など、複数の方向がある。
当初は早く就職しなければならないと焦っていたが、家族の勧めもあり、数日間の体験を経て利用を決めた。
最初は週3回、午前中だけの通所から始めた。
その後、終日通所へ移行し、週5日通えるようになった。
感情を理解するワークから人間関係が変化
Tさんは当初、他の利用者との交流を避けていた。
グループワークを休んだり、集団活動を離れた場所から見ていたりした。
変化のきっかけの一つが、感情を扱うワークだった。
穏やかさとは何かを考え、他の利用者の意見を聞くうちに、自分の中にも穏やかな感情があると気づいた。
その後、休憩時間の雑談などを通じて人との交流が増えた。
Tさんは、他の人と関わってもよいと感じられるようになったという。
スタッフの体験談から、大学進学を決意
交流が増えるなか、Tさんには福祉に関わる仕事をしたいという目標が生まれた。
しかし、具体的な進み方は分からなかった。
そこで参考になったのが、エンラボのスタッフによるキャリアストーリーだった。
そのスタッフは、働きながら通信制大学を卒業し、さまざまな経緯を経て現在の支援職に就いていた。
Tさん自身も、以前から大学へ進学したいと考えていたが、一度諦めた経験があった。
スタッフの経験を知り、大学で福祉を学ぶことと、将来支援職に就くことを結びつけた。
現在は通信制大学に進学し、社会福祉士を目指して学習している。
学費を得るためのアルバイトも始めた。
ただし、社会福祉士資格の取得や福祉職への就職は、まだ確認されていない。
利用期間と料金
Tさんのエンラボカレッジ利用期間は9か月。
同施設は障害者総合支援法に基づく自立訓練(生活訓練)を提供する。標準的な利用期間は原則2年で、条件により延長できる。
2026年9月25日更新の公式説明によると、所得区分別の月額自己負担上限は0円、9,300円、37,200円。運営者は利用者の9割以上が自己負担0円としている。
ただし、Tさん本人の実際の負担額、大学の学費、アルバイト収入は未確認である。
利用後に確認できた変化
今回確認できたのは、就職活動の中断後、本人が新しい職業目標を見つけ、大学進学という具体的な行動に移したことである。
Tさんは、以前は就職から遠ざかってしまったと自分を責めていたが、自分のキャリアや感情を振り返ることで別の道が見えてきたと語る。
ただし、大学卒業、資格取得、福祉職への就職、長期的な体調の変化は未確認である。
SK進路との接点
Tさんの変化は、単に就職できる状態へ戻ることではなかった。
早く就職するという当初の目標を見直し、自分が望む仕事と、以前から希望していた大学進学を組み合わせた。
この過程は、SK進路が重視する「希望や判断条件を整理し、納得して次の方向を決めること」と接点がある。
一方、エンラボカレッジは生活訓練を中心とする障害福祉サービスであり、SK進路の個人向けキャリア相談とは異なる。Tさんに3か月以内の判断期限があったかも未確認である。
今回の事例が示すのは、早く就職することと、自分が望む進路を選ぶことは、必ずしも同じではないということである。
なお、これは事業者が掲載した利用者の体験談であり、第三者による支援効果の検証ではない。
出典
- エンラボカレッジ「新しい目標を見つけられた9ヶ月、自分もまた支える人になりたい」(2026年7月28日更新)
- エンラボカレッジ「自立訓練(生活訓練)とは?」(2026年9月25日更新)
- 東京都福祉局・障害福祉サービスの利用者負担(2026年3月23日更新)


