メンタル不調によって仕事を辞めた50代女性が、約2年間の就労移行支援を利用し、自分の希望や強みを整理して再就職した。その後、職場で病気を開示し、自分を偽らない働き方へ進んだ。
2026年9月15日、株式会社リヴァが、就労移行支援「リヴァトレ」を利用したユキコさんの体験談を公開した。
今回の事例で注目するのは、再就職そのものではない。「病気を隠さず、自分の強みを生かして働きたい」という希望を、現実の職場でどう実現したかという点である。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
仕事も家庭も、常に誰かを支えてきた
ユキコさんは、子育てをしながら保育士や社会福祉士の資格を取得し、福祉の仕事に携わってきた。
一方、10代から精神的な不調を経験し、ADHDや依存症の問題も抱えていた。
訪問ヘルパーとして働いていた時期には、仕事量が増え、心身の負担が大きくなった。新型コロナウイルスの流行による職場環境の変化も重なり、限界を迎えて退職した。
その後、医療機関を変えたことをきっかけに双極症と診断された。
退職後は精神疾患のある親のピアサポートグループの運営にも関わっていた。そこで当事者同士が支え合うことの価値を感じ、就労移行支援に関心を持った。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
利用したのは「リヴァトレ」
ユキコさんが選んだのは、リヴァが運営する就労移行支援サービス「リヴァトレ」だった。
見学で関心を持ったのは、個人作業だけでなく、グループワークを中心に利用者同士が交流できることだった。
利用期間は約2年間。
それまで人を支える立場だったユキコさんは、支援を受ける側になる経験を通じ、自分のことを後回しにしない考え方を身につけていった。
グループワークでは、利用者同士で良いところを伝え合った。パソコンを使った資料作成や発表にも取り組んだ。
後に日本精神神経学会で当事者として登壇した際には、支援期間中に学んだ資料作成の技能を生かしている。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
「病気を隠さず働きたい」という希望
再就職を考える段階で、ユキコさんには明確な希望があった。
次は自分の病気を隠さずに働きたいということだった。
しかし、障害者雇用の求人では、社会福祉士などの資格や過去の経験を生かせる仕事がなかなか見つからなかった。
そこで、本人は一般求人から仕事を探すことを選んだ。
最初から病気を開示するという希望は実現できなかったが、まずは病気を伝えずに就職し、状況を見て開示するという方法を選択した。
就職先は特別支援小学校での障害児支援の仕事だった。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
就職2年目、職場に病気を開示
仕事に慣れた2年目の春、ユキコさんは職場に双極症であることを伝えた。
将来、体調が大きく変化した際に備え、職場にも知っておいてもらいたいという考えがあった。
公開された体験談によると、2026年9月時点で就職から約3年が経過している。
現在も、気分、睡眠、活動量などを日々記録しながら働いている。
体調を崩して仕事を休む日もあるが、以前のように無理を重ねるのではなく、自分の状態を把握しながら生活することを重視している。
本人は、他人の基準に合わせ続けるより、自分がやりたいことや楽しいことに時間を使いたいと語っている。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
料金と利用期間
リヴァトレは障害福祉制度を利用したサービスで、自己負担は所得に応じて設定される。
月額負担上限は、非課税世帯などが0円、一定の所得区分が9,300円、それ以外が37,200円。
公式案内による平均利用期間は3〜6か月程度だが、ユキコさんは約2年間利用した。
本人が実際に支払った料金は未確認である。うつ病の復職・再就職支援 株式会社リヴァ(LIVA)
SK進路との接点
今回の事例では、本人が望む働き方と、実際の求人条件との間に違いがあった。
希望は「病気を隠さず、経験を生かして働くこと」。
しかし、希望する条件に合う障害者雇用の求人が見つからなかった。
そこで一般求人から就職し、職場に慣れた後で病気を開示するという段階的な方法を選んだ。
希望を諦めるのではなく、実現する順番と方法を変えたことになる。
この過程には、SK進路が扱う条件整理、選択肢の比較、試行、本人による判断との接点がある。
一方、リヴァトレは生活習慣やストレス対処、就労準備も扱う障害福祉サービスであり、SK進路の個別キャリア相談とは事業構造が異なる。
また、ユキコさんに3か月以内の判断期限があったことは確認できない。
今回の記事は事業者が掲載した利用者インタビューであり、第三者による効果検証ではない。
それでも、メンタル不調後の進路を考える際、職業だけでなく「自分を隠さず働けるか」という条件も、本人が納得して決めるための重要な判断材料になることを示す事例である。
出典
株式会社リヴァ「ずっと支える側だった私が、初めて『助けてもらう側』に」2026年9月15日公開。


