仕事と家庭の両立に追われ、自分の不調を後回しにして休職した人が、リワークを利用し、生活の組み立て方を見直しながら復職した事例が公開されている。
ウェルビー登戸センターが2026年8月26日に公開した利用事例である。事業者自身が掲載した事例であり、第三者による効果検証ではない点には注意が必要だ。ウェルビー
仕事と家庭の両立で、自分のことは後回しだった
紹介されたBさんは、リワーク利用前について「仕事と家庭の両立で精一杯だった」と振り返っている。不調を感じても自分のことを後回しにする状態が続き、その蓄積が休職につながったと本人は捉えている。
結婚、妊娠、出産などライフステージの変化も経験しており、仕事だけを切り離した問題ではなかった。仕事、家庭、自分自身の状態が重なる中で休職に至った事例である。ウェルビー
Bさんが利用したのはウェルビーのリワークプログラムだ。
ウェルビーリワークは、うつ病や適応障害などで休職・離職している人を対象に、生活リズム、ストレスへの対処、コミュニケーション、キャリアデザイン、復職準備などを扱っている。障害者手帳がなくても、医師の診断などによって利用できる場合がある。ウェルビー

「朝やらないこと」を決め、通勤訓練へ
Bさんの事例で特徴的なのは、単に復職のための訓練を行ったのではなく、それまでの生活の組み方そのものを見直している点だ。
利用当初は時間に余裕がなく、保育園への送迎も難しい状態だった。そこで「朝やらないことを決める」という整理を行った。
本人は、それによって時間にゆとりが生まれ、自身の通勤訓練ができる段階まで進んだとしている。また、「やるべき」という思い込みによって自分を追い込み、身動きが取れなくなっていたことにも気づいたという。
一度に元の生活へ戻すのではなく、小さな段階に分けてできることを増やしたことが、本人によればモチベーション維持にもつながった。ウェルビー
利用後は復職、現在も定着面談
登戸センターは、開所から約1年間でリワーク利用者6人が復職したとしており、Bさんもその1人である。
公開情報から確認できるBさんの結果は「復職」である。さらに、復職後も毎月の定着面談が行われている。
一方、Bさん個人の利用期間、料金、復職後の勤務時間、雇用条件、具体的な職種、収入の変化などは今回の公開記事では確認できない。ウェルビー
SK進路との接点は「復職」より、その前の整理にある
この事例はSK進路が扱う「メンタル不調経験後の進路」と一部が重なる。
Bさんは不調を経験した後、ただ元の勤務状態へ戻ったわけではない。仕事と家庭を両立する中で何が自分を圧迫していたのかを整理し、生活上の「やるべき」を減らし、通勤訓練を経て復職している。
ただし、ウェルビーリワークの中心はあくまで復職支援である。SK進路が対象とする、復職、現職継続、異動、休職継続、退職、転職、学び直し、起業準備などを横断して比較し、本人が進む方向そのものを決め直す支援とは領域が異なる。
今回確認できた事実から重要なのは、メンタル不調後の本人にとって「元の職場へ戻れるか」だけが問題ではなく、仕事と生活をどう組み直せば、その後を続けられるのかという判断も現実の支援現場で扱われていることである。
出典:ウェルビー登戸センター「第9回 リワーク事例紹介」(2026年8月26日)、ウェルビーリワーク公式情報。

