バーンアウト後、就労支援で退職し4日勤務へ-英国-

仕事によるバーンアウトで休職した女性が、「元の職場へ戻るか、別の仕事へ進むか」を就労支援員と整理した末に退職を選び、新しい仕事へ転職した事例が英国で公開されている。

事例を公表したのは、NHS West Yorkshire Integrated Care BoardなどによるWest Yorkshire Health and Care Partnershipである。「Healthy Working Life」の取り組みとして、NHS Talking Therapiesによる心理支援と就労支援を組み合わせたケースである。West Yorkshire Health & Care Partnership

利用者のMatildaは、スタッフに大きな責任を負う管理職として働いていた。勤務は夜間や週末にまで及び、仕事から頭を切り替えられない状態が続いた。その後、仕事上のストレスとバーンアウトを理由に休職した。支援開始時には強い抑うつと不安があり、日常生活と仕事の双方に大きな支障が出ていた。West Yorkshire Health & Care Partnership

利用したのは、Vita Health Groupが提供するNHS Talking Therapiesである。特徴は心理療法だけで終わらず、セラピストと就労支援員による支援を同時に受けたことにある。

心理面では8週間に5回の低強度CBTを受けた。一方、就労支援では三つの方向を扱った。短期では段階的復職、業務調整、産業保健の利用方法を確認。中期では別の仕事への応募や面接準備を進め、長期では「現在の職場への復帰でも、新しい仕事でも、支援を受けながら働いている状態」を本人の目標に設定した。West Yorkshire Health & Care Partnership

ここで重要なのは、最初から「復職」か「転職」のどちらかに決めなかった点である。

就労支援員は、現在の職場へ戻る場合と、新しい仕事へ移る場合の両方を残した計画を本人と作成した。履歴書の作成、移転可能なスキルの確認、面接準備、仕事探しに加え、職場で健康を維持するためのWellness Action Planも作った。

さらにMatildaは産業保健の評価を受けた。そこでは業務内容の調整、段階的復職、職場での合理的な調整などが提案された。つまり、元の職場へ戻る可能性についても具体的な条件まで検討したことになる。West Yorkshire Health & Care Partnership

そのうえで本人は、以前の職務へ戻ることは長期的な健康維持には適さないと判断した。

退職を選び、別の仕事を探した結果、新しい就職先が決まり、2026年3月から週4日でフルタイム勤務を開始した。支援終了時には抑うつ・不安の状態も大きく改善し、新しい生活では日常機能への影響が小さくなったと報告されている。また、以前できなくなっていたボランティア活動や地域の演劇グループにも再び参加するようになった。West Yorkshire Health & Care Partnership

料金については、この事例ページではMatilda本人の負担額を確認できない。新しい勤務先の職種や給与も未確認である。

証拠の性質にも注意が必要だ。これはWest Yorkshireの公的な医療・就労連携事業が公開した利用事例であり、本人の発言と担当支援員の説明を含む。一方、この一事例だけからサービス全体の転職成功率や効果を判断することはできない。

SK進路の現在の定義と照合すると、接点はかなり明確である。

Matildaは「元職へ戻る」「条件を変えて戻る」「別の仕事へ進む」という複数の選択肢の間で止まっていた。支援では最初から転職を正解とせず、復職条件と転職可能性を並行して具体化し、本人が最終的に退職・転職を選んでいる。

医療・心理支援を含むNHSの制度である点は、個人向けキャリア相談・キャリアコーチングであるSK進路とは異なる。一方、メンタル不調経験後に「元へ戻るか、別へ進むか」を整理し、仕事と生活の条件を含めて本人が方向を決める部分は、SK進路が定義する「メンタル不調経験後の進路再設計」と直接重なる事例である。

出典:West Yorkshire Health and Care Partnership「From burnout to new beginnings」

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