43歳女性、社会福祉支援後に週35時間勤務-豪州-

大うつ病によって仕事を続けることが難しくなった43歳女性が、所得補償保険を通じた社会福祉支援を利用し、その後、別職種へ移って週35時間まで勤務時間を増やしている事例がオーストラリアで公開されている。

事例を公表したのは生命保険会社TALで、2026年4月7日に掲載したメンタルヘルス関連の所得補償保険支援に関する記事の中で紹介している。これはTAL自身が掲載した利用事例であり、第三者による効果検証ではない。TALGroupHQ

利用者は仮名Sarah、43歳。もともとはプロジェクト・アドミニストレーターとして働いていたが、大うつ病によって認知機能や対人機能に影響が出て、就労を続けることが難しくなった。さらに、社会的孤立や利用できる支援へのアクセスの乏しさなど、生活上の問題も重なっていた。TALGroupHQ

TALは、Sarahには医療だけでなく、生活や社会的な障壁を整理するための社会福祉支援が必要だと判断した。公開情報では、具体的な担当機関名や利用期間、個人負担額は確認できない。したがって、どの事業者が何回支援したか、料金はいくらだったかは未確認である。

一方、支援内容については、社会福祉支援を通じて外部の資源へ接続し、自信や自己評価を立て直していったことが確認できる。TALは、メンタルヘルス関連の所得補償請求者に対して、心理・精神科支援、ピア支援、介護者支援、運動支援、健康・ウェルビーイングコーチングなど複数の外部サービスを組み合わせていると説明している。ただし、Sarahがこれらすべてを利用したことを意味するものではない。Sarah個人について確認できるのは社会福祉支援の利用である。TALGroupHQ

利用後の変化は具体的だ。

Sarahは現在、薬局アシスタントとして働いている。以前のプロジェクト事務職から職種を変え、勤務時間を徐々に増やし、週35時間まで働くようになった。本人は、不安と抑うつの症状が改善し、「再び選択肢があると感じる」と述べている。TALGroupHQ

あわせて読みたい
やりたいことをみつける、大人進路ステーション 大人進路STATION もうひとつのキャリプランとは WHAT WE DO 「何か変えたい。変化させたい」 そんな時、一度立ち止まって方向性を考えてみる。 個の時代、心の時代 「自...

この事例は、TALが2025年に実施したメンタルヘルス関連の支援全体の中の一例でもある。同社によると、2025年には主なメンタルヘルス疾患を抱える501人が584件のリハビリテーションサービスへ紹介された。複数のサービスを利用した人もいる。プログラムを完了した人の76%について、復職、学び直し、ボランティア、独力での求職、日常機能の改善など、何らかの「改善した結果」があったとTALは報告している。ただし、この76%は事業者集計であり、独立した第三者研究ではない。また「改善」の内容は就職だけではない。TALGroupHQ

SK進路との接点は、Sarahが単に症状改善のためのサービスを利用したのではなく、支援後に仕事そのものを変えている点にある。

メンタル不調後の進路では、「元の仕事へ戻るか」という問いだけでは足りない場合がある。今回の事例では、生活上の障壁や孤立を整理し、外部支援へ接続した後、元のプロジェクト事務職ではなく薬局アシスタントという別の仕事へ移り、勤務時間を段階的に増やしている。

これはSK進路が扱う「復職・現職継続・退職・転職・働き方や生活の変更を比較し、次の方向を決める」という領域と一部重なる。

ただし違いもある。TALの支援は所得補償保険を基盤とした保険・リハビリテーション制度であり、個人向けキャリア相談・キャリアコーチングであるSK進路とは市場も仕組みも異なる。またSarahが、旧職復帰、新職種への転職、学び直しなどをどのように比較して薬局アシスタントを選んだのか、その意思決定過程までは公開情報から確認できない。

それでも、「メンタル不調後に支援を受け、その後、以前とは別の仕事へ移り、働く時間を段階的に増やした」という一連の経過が公開されている点で、進路再設計を考えるうえで具体性の高い事例である。

出典:TAL「Claims corner: The specialist network helping members through mental health IP claims」、2026年4月7日。

😄
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次