教職員の離職意向、成長支援の差で41%対12%-米国-

教員が仕事を辞めようと考える背景には、給与や業務量だけでなく、職場が自分の成長や将来を支えてくれていると感じられるかどうかも関係している。

2026年10月14日、米国のウォルトン・ファミリー財団、調査会社Gallup、The Mattering Instituteが共同調査の結果を公表した。

米国の公立学校で働く教職員1,952人を対象にした調査では、4人に1人が今後12か月以内に現在の職を離れる可能性が高いと回答した。

さらに、職場からの成長支援を低く評価した層では41%が離職意向を示した一方、支援を高く評価した層では12%だった。

教員の定着を考えるうえで、職場が本人の将来にどこまで関わっているかという問題が浮かび上がった。

米国50州の教職員1,952人を調査

調査は2026年7月28日から8月14日まで、Gallup Panelを通じて実施された。

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対象は米国50州とワシントンD.C.の公立学校で働く教職員1,952人。

小中高校の教員だけでなく、授業補助員、代替教員、教室で児童生徒に直接関わる職員も含まれる。

そのため、調査結果は正規教員だけの数字ではない。

調査では、自分が職場で大切にされていると感じる度合いを「Mattering」という概念で測定した。

これは、自分が周囲から価値ある存在として認められ、他者に貢献できていると感じることを指す。

35%だけが「学校で非常に大切にされている」

自分が学校にとって非常に大切な存在だと感じている教職員は35%だった。

ある程度そう感じる人は47%。

あまり感じない、または全く感じない人は19%だった。

特に、自分が職場で大切にされていないと感じる教職員では、68%が頻繁にバーンアウトを経験していると回答した。

さらに、その層では、長期的に教育分野で働き続ける予定の人が半数未満だった。

職場での存在価値の感じ方と、燃え尽きや将来の就業意向との間に関連が確認された。

ただし、今回の調査は両者の因果関係を証明したものではない。

成長支援が低い層の離職意向は41%

今回の調査で、職場を離れる意向との関連が特に強かったのが、本人の成長や将来に対する支援だった。

職場から十分な成長支援を受けていないと感じる層では、41%が離職意向を示した。

一方、成長支援を高く評価する層では12%だった。

その差は29ポイントに達する。

しかし、実際に職場で誰かが自分の専門的成長を積極的に支援していると回答した教職員は19%にとどまった。

また、学校という組織が自分の将来を気にかけていると感じる人は16%だった。

つまり、仕事を続ける意向と関係する成長支援について、多くの教職員が十分に得られていないと感じていたことになる。

同僚からの評価と学校組織からの評価に差

教職員が誰から評価されていると感じるかについても違いがあった。

同僚から評価されていると回答した人は42%。

一方、学校組織が教職員への感謝や評価を重視していると感じる人は24%だった。

また、管理職から週1回以上の称賛を受ける人は約4人に1人だった。

児童生徒から定期的に評価や感謝を受けている人は47%だった。

児童生徒との関係にやりがいを感じていても、学校組織から十分に評価されているとは限らないことが分かる。

与えるものが多い教職員ほど燃え尽きが高い傾向

調査では、約3分の2の教職員が、学校に対して受け取るものより多くを与えていると頻繁に感じていた。

自分の貢献が十分に報われていないと感じる層では、57%が頻繁なバーンアウトを報告した。

そのような不均衡をほとんど感じない層では13%だった。

この結果も、負担と支援の不均衡が心理的な疲弊と関連していることを示している。

ただし、調査は自己申告に基づくものであり、実際の労働時間や業務量がどの程度違うかを直接示した数字ではない。

教員を続けるかどうかを考える際の材料

今回の調査でいう「12か月以内の離職意向」は、現在の職を離れる可能性についての回答である。

全員が教育業界からの転職を考えているわけではなく、別の学校や教育関係の職場への移動も含まれ得る。

また、離職意向が実際の退職につながるかどうかも確認されていない。

それでも、教員本人が今後の働き方を考えるうえでは、職場の成長支援や将来への関わり方という条件が重要になる。

現在の学校で働き続ける場合、専門性を伸ばす機会があるか、管理職と将来の仕事について話せるか、役割を変更する余地があるか。

異動や転職を考える場合も、給与や勤務時間だけでなく、次の職場でどのような成長機会や支援を得られるかが比較材料となる。

今回の研究は、復職支援や精神疾患による休職を直接扱ったものではない。

しかし、教員が仕事を続けるか、職場を変えるかを判断する際に、現在の負担だけでなく、自分の将来が職場の中でどのように扱われているかを確認する材料となる。

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出典: Walton Family Foundation・Gallup・The Mattering Institute「The Mattering Gap Among K-12 Educators」、2026年10月14日公開。

調査結果・公式発表

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