教員が学校を離れる理由として、給与だけでなく「生徒指導」と「業務量」が強く表れている。
2026年10月1日、米ネバダ州チャーチル郡の地域紙The Fallon Postは、チャーチル郡学区で実施された2025-26年度「Nevada Teacher Exit/Transfer Survey」の結果を報じた。調査は、学校を離れたり異動したりする教員に、その理由や勤務条件を尋ねる州の仕組みである。The Fallon Post
同学区では15人が調査を完了し、回答率は75%。自由記述については16人分が分析された。規模は小さいものの、実際に離職・異動する教員の声を扱っている点が特徴となる。The Fallon Post
最大の離職理由は「生徒指導」
自由記述で最も多く語られたのは、生徒の行動、規律、教室の安全に関する問題だった。
教員からは、授業を繰り返し中断する行動、規律違反への対応が一貫していないこと、行動面で大きな支援を必要とする生徒への支援や代替的な受け皿が限られていることなどが挙げられた。
学区理事は調査結果について、チャーチル郡では教員が辞める最大の理由が生徒指導であり、2番目が業務量への期待と授業準備時間の不足だと説明している。The Fallon Post

「別の学校へ」ではなく教職そのものを離れる
進路という観点で重要なのは、離職後の行き先だ。
学区理事は、辞める教員について「他学区や別のポジションへ移るのではなく、教職そのものを離れている」ことが印象的だったと述べている。The Fallon Post
調査ではバーンアウトも繰り返し挙げられた。
慢性的なストレス、感情的な消耗、仕事と生活のバランスを維持する難しさを、早期退職、別職種への転職、学区離職の判断と結び付けている教員がいた。
業務面では、会議、管理業務、記録・報告、家庭との連絡、課外活動などが積み重なり、契約時間内では合理的に終えられないという声も出ている。The Fallon Post
一方で「残る理由」も確認された
調査は辞める理由だけを扱っているわけではない。
同僚との協力関係、学校管理職との良好な関係、相談しやすく信頼できる校長などは、仕事への満足や「残る理由」として挙げられた。
ネバダ州のExit/Transfer Survey自体にも、教員が残る可能性を高める条件として、授業準備時間の増加、生徒指導上の問題の減少、異なる担当、異なる管理職、授業や生徒指導における裁量、給与、少人数学級、安全な職場などが選択肢として設定されている。NVEducatorVoices
つまり「教員を続けられなかった理由」と「何が変われば続けられたか」を分けて調べている。
復職・継続判断では「教員が無理か」だけを見ない
これは、メンタル不調などを経験した後に進路を考える教員にも直接関係する。
一度仕事から離れると、「教員を続けられるか」「もう教員は無理なのか」という職業単位の判断になりやすい。
しかし今回の調査を見ると、離職判断には複数の条件が重なっている。
生徒指導なのか。
業務量なのか。
準備時間なのか。
管理職との関係なのか。
裁量なのか。
勤務時間なのか。
原因が違えば、次の選択肢も変わる。
同じ学校へ復職する、別の学校へ移る、担当を変える、働き方を変える、教職を離れる。比較するためには「教員という仕事が合うか」だけではなく、何が変われば続けられるのか、それでも変えられない条件は何なのかを切り分ける必要がある。
今回の調査は15人という一学区の小規模な結果であり、米国全体の教員に一般化できるものではない。
一方、実際に離職・異動する教員本人へ理由と継続条件を尋ねる仕組みは、教員の進路を「辞めた/残った」という結果だけで見ない材料となっている。
出典:The Fallon Post、2026年10月1日。Nevada Teacher Exit/Transfer Surveyの制度・調査項目はAmerican Institutes for ResearchおよびNevada Educator Voicesで確認。The Fallon Post
The Fallon Post「Student Discipline, Workload Cited in CCSD Teacher Departures」
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