教員がメンタル不調に陥る原因トップ3と教員の多忙さ国トップ3
最終確認日:2026年9月17日
注記:本記事はAIを用いて作成した。記載した数値と順位は、記事末尾に掲載した公的資料・研究論文に基づいている。統計や制度は更新されるため、利用時には各資料の最新版も確認されたい。
原因の順位には、文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査」のうち、「精神疾患による病気休職者の要因に関する教育委員会の認識」を使った。調査対象は都道府県・指定都市の計67教育委員会であり、令和6年度、すなわち2024年度の状況を中心に調べている。
ここでいう「原因」とは、教育委員会が各休職者について把握した主な要因である。「その他」と「教育委員会として把握していない」を除いた1,253件を分母として割合が示されている。本人や主治医が診断した病因の順位ではないため、以下では必要に応じて「把握要因」と表記する。
多忙さの順位には、OECD「TALIS 2024」の常勤中学校教員が「直近の完全な1週間」に仕事関連の作業へ使った合計時間を使った。授業だけでなく、授業準備、採点、事務、学校運営、保護者対応、課外活動などを含む。結果は2025年10月に公表された。
教員がメンタル不調に陥る原因トップ3
| 順位 | 教育委員会が把握した主な要因 | 割合 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 児童・生徒に対する指導そのもの | 26.5% | 332件 |
| 2位 | 職場の対人関係 | 23.2% | 291件 |
| 3位 | 校務分掌や調査対応などの事務的な業務 | 12.7% | 159件 |
出典は文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査」である。職場の対人関係には上司、同僚、部下などとの関係が含まれる。
1位 児童・生徒に対する指導そのもの
1位は「児童・生徒に対する指導そのもの」で、26.5%だった。
この区分は、授業時間の長さだけを指すものではない。児童生徒の行動への対応、学級内の問題、個別の教育的ニーズへの対応など、指導場面で生じる負荷を含む広い項目である。文部科学省資料だけでは、その内訳までは分からない。
公立学校共済組合の2024年度ストレスチェックでも、高ストレス者が選んだストレス要因の1位は「対処困難な児童生徒への対応」で27.5%だった。
この調査は病気休職の原因調査ではなく、受検者が現在のストレス要因を1人2個まで選ぶ方式である。それでも、児童生徒への対応が強いストレスと結びついている点は、文部科学省の順位と重なる。
査読研究でも、児童生徒の問題行動と教員のバーンアウトには関連がある。21の独立標本をまとめたメタ分析では、問題行動はバーンアウトの三側面と有意に関連し、特に情緒的消耗との関連が大きかった。
ただし、同研究は多くの元研究が横断調査であり、問題行動からバーンアウトへ一方向に因果が進むと断定できないことも明記している。
2位 職場の対人関係
2位は「職場の対人関係」で、23.2%だった。ここには管理職、同僚、部下などとの関係が含まれる。
対人関係は、単に相性の問題として処理できない。
相談を聞いてもらえるか、困難な事案を一人で抱えずに済むか、業務調整が可能か、治療や家庭事情に合わせた勤務上の配慮があるかによって、同じ業務量でも負担は変わる。
公立学校共済組合の2024年度データでも、高ストレス者の21.6%が「人間関係(同僚)」を選び、3位となった。
2024年の教員ウェルビーイングに関するメタ分析も、対人関係と職場環境をウェルビーイングに関係する主要な領域として整理している。
これらは文部科学省の休職要因調査と同じ指標ではないが、職場内の関係を周辺的な問題として扱えないことを示す。
3位 校務分掌や調査対応などの事務的な業務
3位は「校務分掌や調査対応などの事務的な業務」で、12.7%だった。
授業以外の仕事は、一つひとつが短くても、締切、記録、会議、連絡、調整が重なると仕事の中断を増やす。児童生徒と向き合う時間や授業準備の時間を圧迫すれば、単純な所要時間以上の負担になる。
公立学校共済組合の2024年度ストレスチェックでは、高ストレス者の25.2%が「事務的な業務量」を選び、2位だった。
TALIS 2024でも、日本の中学校教員の63%が「多すぎる事務作業」を強いストレス源として挙げ、日本で最も多い回答となった。
調査対象と質問は異なるが、事務負担が三つの資料で共通して上位に現れている。
長時間勤務がトップ3に入らない理由
文部科学省の把握要因では、「長時間勤務」は11.8%で4位だった。これは、長時間勤務が重要ではないという意味ではない。
第一に、同調査は一人につき主な要因を一つに分類している。長時間勤務が背景にあっても、表面に現れた主な要因が児童生徒への指導や職場の対人関係と整理されれば、長時間勤務には計上されない。
第二に、時間の長さと仕事の負荷は同じではない。予測できない対応、感情を強く使う対応、裁量の乏しさ、支援の不足、複数業務の競合は、同じ1時間でも負担を変える。
第三に、文部科学省の数値は教育委員会の認識である。本人が感じた経過、医師の診断、職場で記録された出来事が全て一致するとは限らない。
したがって、「長時間勤務は4位だから優先度が低い」と読むことはできない。勤務時間は複数の負荷を増幅させる条件として、個別に確認する必要がある。

教員の多忙さ国トップ3
| 順位 | 国 | 常勤中学校教員の仕事時間 | OECD平均との差 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 日本 | 55.1時間/週 | +14.1時間 |
| 2位 | ニュージーランド | 47.5時間/週 | +6.5時間 |
| 3位 | シンガポール | 47.3時間/週 | +6.3時間 |
指標はTALIS 2024の常勤中学校教員による自己申告の週間仕事時間である。OECD平均は41.0時間だった。
TALIS 2024には55の国・地域が参加したが、平均値の算出や教育段階ごとの参加範囲は同一ではない。この表は比較可能な中学校調査の数値から国を抜き出したものであり、世界全体の順位ではない。
1位 日本 週55.1時間
日本は週55.1時間で最長だった。2018年の59.1時間から3.9時間減ったが、参加国・地域の中では最長のままである。
日本の特徴は、授業時間だけが長いことではない。
中学校教員の授業時間は週17.8時間で、OECD平均の22.7時間を下回る。一方、授業準備は8.2時間で平均7.4時間、事務業務は5.2時間で平均3.0時間、学校運営業務は3.1時間で平均1.6時間、課外活動は5.6時間で平均1.7時間を上回る。
授業の周囲にある仕事が総時間を押し上げている。
日本の小学校教員も週52.1時間で、小学校調査の参加国中で最長だった。ただし、小学校調査の参加は12か国・地域に限られるため、国際比較の主表には参加範囲が広い中学校の数値を使った。
2位 ニュージーランド 週47.5時間
ニュージーランドは週47.5時間だった。日本より7.6時間短いが、OECD平均を6.5時間上回る。
ニュージーランドの授業時間は週21.5時間、授業準備は8.0時間、採点は4.3時間、事務業務は4.1時間と報告されている。
合計時間が近くても、どの仕事へ時間を使うかは国によって異なる。
3位 シンガポール 週47.3時間
シンガポールは週47.3時間だった。ニュージーランドとの差は0.2時間、約12分にすぎない。
標本調査の推定値であることを考えると、この差から「ニュージーランドの方が実質的に明確に多忙だ」とまでは言えない。2位と3位は数値上の順序として扱うのが妥当である。
シンガポールの授業時間は週17.7時間、授業準備は8.2時間、採点は6.4時間、事務業務は4.0時間だった。
日本と同様、授業時間が比較的短くても、授業以外の仕事を含めた合計は長くなる。
国際比較で注意すべき点
第一に、TALISは勤務記録ではなく自己申告である。教員は直近の完全な1週間を振り返って回答するため、行事、試験、休暇など、その週の状況に影響される。
第二に、仕事として数える範囲や申告の仕方は、制度や文化によって異なる可能性がある。OECD自身も、自己報告は社会的・文化的な文脈の影響を受けるため、国際比較には注意が必要だとしている。
第三に、TALISの「中学校」は国際標準教育分類の前期中等教育に当たる。日本の小学校、高校、特別支援学校を含む教員全体の順位ではない。
第四に、日本とニュージーランドの推定値には、OECD資料で非回答バイアスのリスクが比較的高いことを示す注意記号が付いている。順位を小数点以下まで絶対視してはならない。
第五に、55の参加国・地域は世界の全ての国ではない。上海やカナダの州など、国全体ではない教育システムも含まれる。
「世界で最も忙しい国」と一般化するのではなく、「TALIS 2024参加国・地域の中で最長」と書く必要がある。
二つのランキングから分かること
日本の教員は国際的に見ても長い時間働いている。しかし、精神疾患による病気休職の把握要因を勤務時間だけで説明することはできない。
文部科学省の上位3項目は、児童生徒への指導、職場の対人関係、事務的な業務である。
公立学校共済組合のストレスチェックでも、対処困難な児童生徒、事務的な業務量、同僚との人間関係が高ストレス者の上位3項目となった。順番は異なるが、現場で重なっている負荷の種類は近い。
一人の教員に起きていることは、さらに複合的である。
児童生徒への難しい対応が続く。相談できる同僚や管理職がいない。記録や報告が増える。その結果、勤務時間が延び、回復する時間が減る。
この連鎖は、単独のランキングでは捉えきれない。
これまでの記事を数字で振り返る
1.勤務時間は減少したが、授業以外の負担は依然として大きい
TALIS 2024によると、日本の常勤中学校教員の仕事時間は週55.1時間だった。2018年の59.1時間から3.9時間減少したものの、調査参加国・地域の中では最長である。
仕事時間の内訳を見ると、授業は週17.8時間で、OECD平均の22.7時間を4.9時間下回る。一方、事務業務は週5.2時間で、OECD平均の3.0時間を2.2時間上回る。
日本の中学校教員が「かなり」または「非常に」強いストレスを感じると回答した項目は、次のとおりだった。
| ストレス要因 | 日本の教員の回答割合 |
|---|---|
| 多すぎる事務作業 | 63% |
| 保護者への対応 | 56% |
| 国・自治体などから求められる変更への対応 | 43% |
出典:OECD「TALIS 2024 日本カントリーノート」
勤務時間以外の条件について、SK進路では海外の調査や事例も扱ってきた。
スコットランドの研究では、定年前に教職を離れた、または勤務時間や責任を大幅に減らした教員58人へ聞き取りを行った。そのうち36人、62.1%が、管理職の対応によって離職や仕事の縮小が早まったと回答した。管理職の支援によって離職が一時的に遅れたと回答したのは6人、10.3%だった。
この研究は58人を対象にした質的研究であり、スコットランドの教員全体にそのまま当てはめられる割合ではない。ただし、実際に離職または仕事を縮小した教員の経過を調べた数字である。
オーストラリアの研究では、教員確保が難しい中等学校3校を対象に、19回の聞き取りと、教員7人に対する計9日間の追跡調査が行われた。対象校の一つでは、1年間に15人を新たに採用する必要があった。
また、資格を持つ教員の不足によって授業の質が妨げられている学校で働く中等教員の割合は、オーストラリアで42%だった。OECD平均は23%であり、オーストラリアの数値は19ポイント高い。
授業以外の仕事を減らす動きも報じられている。
フィリピンでは、2026年9月14日と15日の2日間を教員の「Wellness Break」とし、会議、研修、校内活動、報告、提出物などを要求しない措置が取られた。ただし、この2日間によって休職率や離職率が改善したという結果は、まだ公表されていない。
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インドのパンジャブ州では、選挙人名簿に関する業務へ2万8,000人を超える教員が配置された。さらに、国勢調査の第2段階では、約6万人の教員が36日間にわたって業務を担当する予定とされた。教員団体が別の配給カード確認業務を拒否した結果、州政府はその業務を他部門へ移す方針を示した。
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これらの数字から確認できるのは、教員の負担を勤務時間の合計だけでは説明できないということである。授業以外の業務量、管理職の対応、人員不足、異動後に残る教員の負担も、別々に確認する必要がある。
2.休職者7,087人のうち、1,283人に過去1年以内の休職歴がある
文部科学省によると、2024年度に精神疾患で病気休職した公立学校の教育職員は7,087人だった。全教育職員92万2,776人の0.77%に当たる。
前年度の休職者は7,119人だったため、人数は32人減少した。ただし、全教育職員に占める割合は前年度と同じ0.77%だった。
休職者7,087人のうち、過去1年以内にも精神疾患による休職期間があった人は1,283人だった。休職者全体の18.1%に当たる。
この割合は、次のように推移している。
| 年度 | 過去1年以内にも休職期間があった人 | 休職者全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 868人 | 14.7% |
| 2022年度 | 1,048人 | 15.9% |
| 2023年度 | 1,117人 | 15.7% |
| 2024年度 | 1,283人 | 18.1% |
2024年度には、精神疾患による休職者の34.8%が、休職期間1年以上となっていた。
出典:
休職とは別に、2024年度に精神疾患を理由として教職を離れた公立小・中・高校の教員は1,319人だった。
内訳は、小学校801人、中学校365人、高校153人である。2015年度の合計619人と比べると、2024年度は約2.1倍となった。
関連記事:精神疾患で教職を離れた公立学校教員、過去最多の1,319人
文部科学省の2026年度事業では、医師、保健師、臨床心理士などを活用し、休職予防、休職中の支援、復職支援プログラムの改良、復職後の再発防止を扱うとしている。2026年度予算案に計上された事業費は0.5億円である。
関連記事:教員の精神疾患、休職から復職後まで支援へ
以上の数字は、休職して復職すれば全て解決するとは限らないことを示している。一方で、休職者7,087人全員が再休職または離職するわけでもない。
休職、復職、再休職、離職はそれぞれ異なる状態である。メンタル不調後の進路を考える際には、これらの数字を混同せず、復職、継続、業務調整、異動、退職、転職を分けて検討する必要がある。
メンタル不調後の進路を考える
メンタル不調が続いている時期は、進路を急いで決める段階ではない。治療、休養、安全の確保が先である。
SK進路は治療、心理支援、復職訓練を行う医療サービスではない。
回復後に進路を考える際は、「教員を続けるか、辞めるか」の二択にしない。今回のデータが示すように、負担の中心がどこにあるかで検討すべき選択肢が変わる。
児童生徒への指導が中心なら、校種、担当、学級、支援体制を変えた場合も同じ負担が続くのかを確認する。
職場の対人関係が中心なら、現在の学校固有の問題か、異動後にも残る問題かを分ける。
事務や校務分掌が中心なら、役割調整や配置変更で継続できるのかを調べる。
長時間勤務が中心なら、実際の時間配分を記録し、減らせる仕事と減らせない仕事を分ける。
その上で、復職、現在の職場での継続、異動、退職、転職を同じテーブルに出す。
子育て世代では、本人の回復だけでなく、家族の生活、収入、送迎や家事育児、再発を防ぐための時間も条件に含める必要がある。
SK進路設計プロジェクトが扱うのは、この比較と進路設計である。
まず事実と希望を明確にする。次に必要な準備と小さな試行を育てる。最後に選択の条件と見直し基準を、本人が引き受けられる形へ整える。
復職や退職のどれかへ誘導するのではなく、本人が選ぶための材料をそろえる。

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参考資料
- 文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」、2025年12月22日。
- 文部科学省「精神疾患による病気休職者の要因に関する教育委員会の認識について」、2025年12月。
- 公立学校共済組合「公立学校教職員のストレスチェックデータ分析結果報告書」、2023・2024年度分追加、2026年。
- 国立教育政策研究所「OECD国際教員指導環境調査 TALIS 2024報告書のポイント」、2025年10月。
- OECD, Results from TALIS 2024: The State of Teaching、2025年。
- OECD, Results from TALIS 2024 Country Note: Japan、2025年。
- OECD, Results from TALIS 2024 Country Note: New Zealand、2025年。
- OECD, Results from TALIS 2024 Country Note: Singapore、2025年。
- Aloe, A. M. et al., “A multivariate meta-analysis of student misbehavior and teacher burnout”, Educational Research Review, 12, 30–44, 2014.
- Madigan, D. J. et al., “Determinants of Burnout among Teachers: A Systematic Review of Longitudinal Studies”, International Journal of Environmental Research and Public Health, 19, 5776, 2022.
- Zhou, S., Slemp, G. R. and Vella-Brodrick, D. A., “Factors Associated with Teacher Wellbeing: A Meta-Analysis”, Educational Psychology Review, 36, 63, 2024.

