精神疾患で教職を離れた公立学校教員、過去最多の1,319人 「休職後に戻る」だけでは捉えきれない教員の進路

2024年度に精神疾患を理由として離職した公立小・中・高校の教員が1,319人となり、過去最多を更新した。文部科学省の学校教員統計調査の中間報告をもとに、2026年7月22日に共同通信が報じた。前回調査の2021年度から369人増え、初めて1,000人を超えた。

定年退職を除いて教職を離れた教員は1万5,540人。そのうち精神疾患を理由とした離職は約8.5%を占める。

学校種別では、小学校801人、中学校365人、高校153人。いずれも過去最多となった。特に小学校は、2015年度の331人から2倍を超える水準まで増えている。

ここで注意が必要なのは、「精神疾患による休職」と「精神疾患を理由とした離職」は別の数字だという点である。

文部科学省の別の人事行政調査では、2024年度に精神疾患によって病気休職した公立学校の教育職員は7,087人だった。全教育職員92万2,776人の0.77%に当たる。前年の7,119人から32人減少したものの、割合は横ばいとなっている。

同調査では、精神疾患による休職の要因について教育委員会に尋ねている。多かったのは、児童生徒への指導そのものに関する業務、上司・同僚・部下など職場の対人関係、校務分掌や調査対応などの事務的業務だった。

つまり、休職者数だけを見ると「一時的に仕事を離れて回復する人」の問題に見えるが、今回の離職統計は、その先で教職そのものを離れる人も増えていることを示している。

教員のメンタルヘルス対策では、これまで早期発見、相談、休職、試し出勤、復職支援などが整備されてきた。2026年度にも、公立学校共済組合関東中央病院では、メンタル不調で休職・休暇中の東京都の正規教員を対象に、復職に向けたリワークプログラムのガイダンスを実施している。復職後の教員を対象としたフォローアップも用意されている。

一方で、すべての教員にとって「元の学校、元の働き方へ戻ること」が唯一の進路とは限らない。

休職を経験した後には、同じ学校へ復職する、異動して環境を変える、勤務形態を変える、教職を離れる、教育経験を生かして別の仕事へ移るなど、複数の選択肢が存在する。

重要なのは、休職と退職を二択として扱わないことである。

「教員を続けたいか」という意思だけでなく、「どの条件なら続けられるのか」「元の環境に戻ることが適切なのか」「異動で解決する問題なのか」「教職そのものから離れた方がよいのか」を切り分ける必要がある。

今回の1,319人という数字は、教員不足の問題であると同時に、教員本人がメンタル不調の後にどのような進路を選べるのかという問題でもある。

採用人数だけではなく、休職した人が復職後も働き続けられる条件、そして復職以外の選択を含めた進路支援までを見る必要性が高まっている。

出典
文部科学省「学校教員統計調査」中間報告をもとにした共同通信報道(2026年7月22日)
文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査」
公立学校共済組合 関東中央病院「令和8年度 リワークプログラム」「復職した教員へのサポートプログラム」

目次