英国リバプールで、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない18〜21歳の若者を、次の進路へつなぐ取り組みが進んでいる。
リバプール市は2026年9月14日、政府支援の「Youth Guarantee Trailblazer」について、これまでに700人を超える18〜21歳の若者が、就職前支援や仕事の機会につながったと発表した。9月23日には、NEET状態にある若者が教育、職業訓練、雇用の選択肢を一か所で探せる「Your Next Steps」イベントを開催する。
対象は、現在、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない18〜21歳だ。
特徴は、単に求人を紹介する事業ではない点にある。

就職前支援、創造的活動を使った再接続、就職後の支援、SEND(特別教育ニーズ・障害)向けプログラム、デジタル・金融面の支援、ケア経験者へのメンタリング、交通費や必要機材への支援などが用意されている。さらに、企業による6か月間の有給機会も組み込まれている。
9月23日のイベントにも、雇用主だけでなく、若者支援団体、SEND支援、市の関係部署などが参加する。本人は最初から「就職する」「学校へ戻る」「訓練を受ける」と進路を決めて参加する必要はない。複数の支援先と接触しながら、教育・訓練・雇用のどこへ進むかを探せる構造になっている。保護者やケアラーの参加も認められている。
参加のハードルを下げる仕組みもある。大人数や混雑が苦手な若者向けに「Quiet Hour」が設けられ、通常より静かな環境で支援機関や企業と話せる時間帯が用意されている。
リバプール都市圏は、英国政府が指定したYouth Guarantee Trailblazerの8地域の一つである。制度自体は、若者がNEET状態になるリスクを早期に把握し、地域の教育、訓練、仕事へ結びつける方法を試す実証事業として位置づけられている。政府は2025年度に8地域へ4,500万ポンドを投入し、その後さらに1年間の延長と追加4,500万ポンドを決めた。リバプール都市圏には約500万ポンドが配分されている。
今年4月時点では支援実績は450人超だったが、今回の発表では700人超となった。支援がイベント単発で終わらず、第2段階へ進んでいることも確認できる。
この取り組みで重要なのは、NEETの若者を「学校へ戻す」ことだけを出口としていない点だ。
学校や支援から離れた若者にとって問題になるのは、離れたこと自体だけではない。その後、教育、訓練、就職、福祉などに制度が分かれ、自分がどこへ相談し、どの道へ進めばよいのか分からなくなる場合がある。
リバプールの仕組みは、その入口で進路を一つに限定せず、複数の選択肢を同じ場所に置いている。
不登校や学校離脱の先を考える場合にも、「学校へ戻れるか」だけでなく、学校を離れた後、この先どこへ進むのかまで支援を接続する視点が重要になる事例である。
出典:Liverpool Express「Sign up to take Your Next Steps into employment」/Liverpool City Council「Join Youth Trailblazer」/英国議会下院図書館「Youth Guarantee」

