大手サービス企業に20年勤め、15年間マネージャーを務めてきた40代男性が、うつ病・適応障害による休職後にリワークを利用し、復職を経て別業界へ転職した事例が2026年9月11日に公開された。株式会社リヴァが、自社サービス「リヴァトレ」の利用者に行ったインタビューである。第三者による効果検証ではなく、事業者が掲載した利用事例として見る必要がある。liva.co.jp
男性は長年、店舗責任者として働いていた。直属の上司が変わり、休日にも指示が届くようになった一方、家庭では子どもの反抗期や妻との関係にも悩んでいた。仕事を一人で抱え込み、「弱みを見せたくない」「自分で完結しなければ」という意識も強かったという。体重減少などを経て産業医へ相談し、うつ病・適応障害と診断された。その後、約半年休職した。liva.co.jp

休職から約1か月後、主治医から復職準備としてリワーク施設「リヴァトレ」を勧められた。利用開始時点では積極的にキャリアを考えていたわけではなく、自宅と公園を往復する生活から抜け出したい程度の気持ちだったと本人は振り返っている。liva.co.jp
リヴァトレでは、集団認知行動療法、アサーション、ビジネスプログラムなどを利用した。本人は、人に話すことで自分の考えを客観視し、抱え込まず相談する方法を身につけたと述べている。さらに他の利用者とビジネス課題に取り組む中で、仕事への自信も徐々に取り戻したという。これは利用者本人による評価であり、第三者が測定した効果ではない。liva.co.jp
約半年のプログラムを終え、男性は元の会社へ復職した。当初は勤務地の変更と店舗責任者から外れることを希望していたが、人手不足などから復帰直後から再び責任者となった。実際の職場では8時間勤務の疲労や周囲からのプレッシャーもあり、復職すれば問題が解決するわけではなかった。liva.co.jp
転機は復職から約半年後だった。主治医に相談したうえで転職活動を開始した。本人はリワークを通じて「この会社でなければ働けない」という考えが薄れ、新しいキャリアを考えられるようになったとしている。liva.co.jp
転職時には「何のために働くのか」を改めて整理した。そこで本人が設定した軸が「社会貢献」「みんなが楽しく働ける環境づくり」「全国転勤がないこと」だった。業界を限定せず仕事を探し、未経験業界への転職を決めた。liva.co.jp
転職から1年後の取材時点では、課長職を経て部長職となり、マネージャーとして働き続けている。また生活面では、家族との距離の取り方も変更し、別居しながら定期的に会う形を選択した。本人は、仕事で問題を抱えた際にも同僚へ相談したり、ノートへ感情を書き出したりする方法を続けている。liva.co.jp
リヴァトレ全体では、2026年7月時点の累計復帰者数が2,152人、復帰後6か月時点の就労定着率が88.5%と事業者が公表している。社会復帰先は復職65%、就職・転職34.4%、進学0.6%である。これは今回の男性個人の成果を示す数字ではない。liva.co.jp
料金は前年の世帯所得によって異なり、リヴァが公表する参考額では1日1,300~2,400円、月額負担上限は0円、9,300円、37,200円となる。今回の男性が実際に支払った金額は公開されておらず未確認である。liva.co.jp
SK進路との接点は、単なる「休職→復職」という経過ではなく、復職後にもう一度進路を見直している点にある。男性は元職へ戻ったものの、その働き方をそのまま続けるのではなく、自分が働く目的と条件を整理し直し、未経験業界への転職と生活上の変更を選んだ。
一方、リヴァトレは疾病理解や再発予防、復職準備も含む福祉リワークであり、Direction Redesignを中心に置くSK進路とは提供領域が異なる。今回確認できるのは、メンタル不調経験後には「元の職場へ戻れるか」だけでなく、復職後に「この働き方を続けるのか」「別の仕事や生活を選ぶのか」という次の進路判断が実際に生じている事例である。

