就労移行2年で決まらず、自立訓練1年後に就職-日本-

就職を急ぐ支援を2年間利用しても仕事が決まらず、別の支援へ切り替えてから障害者雇用で就職し、週5日勤務を1年間継続している30代女性の事例が公開された。

自立訓練(生活訓練)を運営するエンラボカレッジが2026年8月31日に更新した利用事例である。事業者自身が掲載した利用者インタビューであり、第三者による効果検証ではない点には注意が必要だ。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

利用者のIさんは30代女性で、大学時代にうつ病とADHDの診断を受けている。その後一般企業に就職したが、職場環境の変化を機に退職した。再び働くため、自宅近くの就労移行支援事業所に約2年間、ほぼ週5日通った。雇用保険を受給しながら生活リズムを維持し、転職することを考えていたという。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

しかし、グループワークやコミュニケーションに苦手意識があり、就職活動も進まなかった。就労移行支援の利用期限が迫るなか、就職先が決まらず、「この先日常的に通える場所がなくなる」という不安を抱えていた。本人は当時、就職を急ぐより、週5日の生活リズムと体力を保ちながら将来について考える時間を求めていたと振り返っている。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

そこで支援員から紹介されたのが、自立訓練(生活訓練)だった。

エンラボでは、就職だけを直ちに目標にせず、生活リズム、自己理解、他者との関係、体調管理などを整えながら、その後の進路を考える。制度上の標準利用期間は原則2年で、エンラボでは卒業後の進路として、就職、復職、就労移行支援、大学・専門学校への復学・進学、就労継続支援A型・B型など複数の方向を示している。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

Iさんは約1年間利用した。最初の目標は「週5日通う」ことだった。その後、目標計画書にプログラムへの参加や身だしなみなどを加えた。スキルアッププログラムでは特例子会社など、それまで知らなかった働き方を知り、コミュニケーションプログラムでは、報告・連絡・相談や相手の状況を考える方法を実践的に学んだとしている。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

利用料金はIさん個人については公開されていない。自立訓練は障害福祉サービスであり、自己負担には所得に応じた月額上限がある。エンラボは利用者の9割以上が利用料負担0円としているが、これはIさん本人の負担額を意味しない。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

利用後の変化は具体的である。

Iさんは障害者雇用枠で事務職に就職した。8時30分から17時まで、週5日勤務を1年間継続。契約更新も決まり、上司から仕事について高い評価を受けたと本人が語っている。生活リズムを整えたことや、自分で目標を設定して実行した経験が現在の勤務につながっていると振り返る。エンラボカレッジ|株式会社エンラボ |

SK進路との接点で重要なのは、「就職できた」という結果だけではない。

Iさんは一度、就労移行支援という明確に就職を目指すサービスを2年間利用している。それでも進路が決まらず、次に選んだのは、さらに就職を急ぐことではなく、生活を維持しながら将来を考える自立訓練だった。

つまり、メンタル不調経験後の進路には、「どの仕事に就くか」以前に、今は就職を急ぐ段階なのか、生活を整える段階なのか、どの支援を選び直すのかという判断が存在する。

今回確認できたのは福祉サービス利用者の一事例であり、SK進路が対象とする個人向けキャリア相談・キャリアコーチングとは市場も制度も異なる。一方、「今ある選択肢をそのまま進むのではなく、自分の状態に合わせて次の進路そのものを選び直す」という問題は、メンタル不調経験後の進路再設計と直接重なる事例である。

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