英国政府は2026年9月15日、イングランドで若者向けの「Young Futures Hubs」を42拠点新設すると発表した。
対象は原則10〜18歳で、特別な教育的ニーズや障害のある若者は25歳まで含まれる。地域の一つの拠点から、メンタルヘルス支援、技能訓練、就労機会、犯罪予防など複数の支援につなげる仕組みだ。
今回の動きで重要なのは、若者を一時的に支援するだけでなく、16〜18歳以降の次の支援先まで接続しようとしている点である。
英国政府が9月17日に更新した制度説明では、Young Futures Hubsと、雇用年金省が運営する別制度「Youth Hubs」との連携を進め、キャリア支援が必要な16〜18歳を引き継げるようにすると明記された。
Youth Hubsは、若者を就職、技能習得、その他の機会につなぐための支援拠点である。
つまり、10代前半から利用できる地域支援が18歳前後で終わり、その後は本人が自力で次の制度を探すという構造ではなく、支援側から次のキャリア・就労支援へ渡す仕組みをつくろうとしている。
Young Futures Hubsは、2029年3月までに最大50拠点のネットワークを整備する計画だ。今回の42拠点は、すでに進められている8地域の先行事業を全国規模へ広げるものとなる。
9月16日には、先行8地域について初めての中間評価も公表された。
この制度では、スポーツや創作活動、ユースワーカーへの相談といった利用しやすい活動に加え、必要に応じて専門的な支援へつなぐ。若者が別の支援機関へ移るたびに同じ事情を一から説明し直す負担を減らし、地域内で継続的に支援することを目指している。
背景には、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していないNEET状態の若者の問題がある。
英国雇用年金省が8月27日に公表した調査では、NEET状態にある16〜24歳417人を対象に、現在の状況や将来希望、就労・教育・訓練へ進むうえでの障壁を調べている。
この調査は、NEET状態を単純に「働く意思がない若者」の問題として扱うのではなく、本人が何を希望し、何が次の一歩を妨げているのかを確認するために実施されたものである。
不登校や長期欠席の問題も、学校へ戻れるかどうかだけで終わるものではない。
学校を離れた後、高校や大学へ進むのか、別の教育へ移るのか、職業訓練へ進むのか、就職するのか。18歳前後からは、それまで学校や自治体が担っていた支援の枠組みそのものが変わる。
そこで問題になるのが、**「支援の後に何があるのか」**である。
今回の英国の制度拡大は、Young Futures Hubsという新しい場所を増やすだけではない。16〜18歳という移行期に、次の就労・キャリア支援へ引き継ぐ仕組みまで制度の中に置いている。
不登校、学校離脱、NEET状態を経験した若者にとって、元の学校へ戻ることだけが進路ではない。
学校を離れた後にも、学び直し、職業訓練、就職、社会参加など複数の入口があり、その入口までどうつなぐか。
英国で始まった今回の拡大は、若者支援を「支援して終わる」のではなく、次の進路へ接続する仕組みとして設計する動きである。
出典:英国政府 Department for Digital, Culture, Media and Sport、Department for Work and Pensions

