ひきこもり支援と仕事体験、同じ事業に -イタリア-

ひきこもり状態にある若者との接点をどう取り戻し、その後の社会参加や仕事につなげるのか。

イタリア北部マントヴァでは、社会的ひきこもりへの対応と、若者の職業訓練・仕事体験を同じ地域事業の中で扱う取り組みが進んでいる。

事業名は「Shake the Future Next」。

2026年10月12日と13日には、ひきこもり支援団体Hikikomori Italiaの創設者を招き、支援者や家族向けの研修・交流会が予定された。

一方、事業全体では、学校にも仕事にも参加していない若者150人以上と接点をつくり、少なくとも50人を安定した仕事につなぐ目標を掲げている。

特徴は、社会的孤立への対応、本人の関心を探す活動、職業訓練、企業での仕事体験を、一つの地域事業に組み込んでいることだ。

16〜29歳の若者150人以上を対象に

Shake the Future Nextは、マントヴァ市を中心に2026年3月25日に始まった。

事業期間は30か月。ロンバルディア州のZeroNEET事業を通じて、約39万9,000ユーロの資金が提供される。

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対象の中心は、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない16〜29歳の若者だ。

事業には教育関係者、職業訓練機関、社会福祉団体、民間企業などが参加する。

若者150人以上への働きかけと、50人以上の就労への接続を目指す。

ただし、これは事業期間中の目標であり、すでに50人が就職したという意味ではない。

ひきこもり状態の若者への対応も扱う

9月28日、マントヴァ県の若者情報機関Informagiovaniは、10月12日と13日に予定された社会的ひきこもりに関する二つの行事を発表した。

12日は教員、教育支援者、社会福祉職、医療関係者などを対象とする専門研修。

13日は家族や地域住民を対象とする交流・啓発の機会だ。

講師にはHikikomori Italiaの創設者マルコ・クレパルディ氏が招かれた。

研修では、社会的ひきこもりの初期兆候、学校や地域での対応、支援機関同士の連携などを扱う計画だった。

家族向けの会では、本人との関係を維持し、再び社会と接点を持つ過程をどう支えるかが主題となっている。

ただし、これらは主に支援者や家族を対象とする活動であり、参加したひきこもり当事者が直接職業訓練へ移ったことを示すものではない。

仕事の前に「何をしたいか」を探す

事業の公式サイトでは、若者向けの活動を大きく3つに分けている。

最初は「Shake Your Mind & Passion」。

自分の関心や得意なことを探すためのコーチング、体験型ワークショップ、相談の場を用意する。

次は「Shake Your Job」。

職業選択に向けた相談、専門技能の訓練、企業での実習などを行う。

もう一つが「Free Time」。

地域での交流会やグループ活動を通じて、人と出会い、社会参加を経験する機会を設ける。

つまり、最初から就職活動だけを行う構成ではない。

本人の関心を探す活動、地域で人と関わる活動、実際の仕事を経験する活動が用意されている。

飲食業などの仕事を試す機会も

3月の事業発表では、飲食業の仕事を体験できるバーテンダー養成講座も紹介された。

18〜29歳の無業・非就学の若者を対象とする無料講座で、学んだ技能を試すための有給実習につながる可能性も示された。

ほかにも、デジタル分野や環境関連分野の技能習得、職業能力の確認、地元企業とのマッチングなどが計画されている。

支援は教育者、進路相談担当者、職業訓練機関、企業などが連携して行う。

事業の前身である「Shake the Future」では、250人以上の若者が支援対象となったと報告されている。

ただし、250人は前事業で支援を受けた人数であり、就職者数ではない。

社会参加から就職までの間にある選択肢

長期間、自宅中心の生活を続けていた人が、すぐに学校や職場へ戻れるとは限らない。

まず人と会う機会をつくり、興味のある活動を試し、その後に職業を考える場合もある。

Shake the Future Nextでは、こうした異なる段階に対応する活動が同じ地域事業の中に置かれている。

ただし、社会的ひきこもり状態にある人が何人参加し、どの段階まで進んだかは公表されていない。

また、集団活動や職業実習が難しい人への具体的な参加方法、事業終了後の継続支援、就職後の定着状況も今後の確認課題となる。

今回の事業は、ひきこもり状態から就職までの成果を実証したものではない。

それでも、本人の関心を探すこと、地域で活動すること、仕事を試すことを別々の制度に分断せず、地域の支援体制に組み込んでいる点に特徴がある。

社会とつながった後、何を学び、何を仕事にするのか。

マントヴァの取り組みは、その判断に至るまでの複数の機会を用意する事業となっている。

出典

  • Informagiovani Mantova「Festival della Salute Mentale 2026 – YOUNG」(2026年9月28日)
  • マントヴァ市「Shake the Future Next」公式サイト
  • IFOA「Al via i progetti Shake the Future Next e SocialNEETwork」(2026年4月30日)
  • AltraMantova「Mantova investe sul futuro delle nuove generazioni」(2026年3月25日)
  • Mantovauno「Ritiro sociale giovanile」(2026年10月2日)
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