英国で、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していないNEET状態の若者が、再び社会と接続するために何が必要なのか。その手がかりとなる結果が出ている。
英国メディアPositive Newsは2026年9月21日、英国のNEET状態の16〜24歳が98万1,000人となり、前四半期から3万人減少したと報じた。割合は13.5%から13.0%へ低下した。ただし前年同期よりは依然高く、英国国家統計局も一四半期の数字だけで傾向を判断することには慎重である。
注目すべきなのは人数の増減より、その先にある再接続の仕組みである。

英国政府が8地域で進める「Youth Guarantee Trailblazer」のうち、イースト・ミッドランズ地域では、18〜21歳の若者を対象に、就労、教育、職業訓練への移行を支援している。
NIESRの評価によると、2026年2月末までに1,595人が参加。プログラムを修了した239人のうち74%が、雇用・教育・職業訓練のいずれかへ移行した。
支援内容も、単純な求人紹介ではない。
対象にはメンタルヘルス上の問題、SEND、社会的孤立、自信の低下など複数の課題を抱える若者が含まれる。個別の進路指導だけでなく、人との関係づくり、生活面・感情面への支援を組み合わせている。
NIESRは、こうした若者の中には、すぐにフルタイムの就労・教育・訓練へ移れる状態ではない人もいると指摘する。そのため、画一的に就職を求めるのではなく、一人ひとりの障壁を確認し、目標を小さな段階に分ける個別支援が重要となる。
もう一つ重要なのが、支援から支援への「移行」である。
評価報告では、若者が別の支援サービスへ移る時期は特に重要であり、そこで本人との接点を失わないよう、サービス同士を一部重ねる必要があるとしている。学校、行政、職業訓練、就労支援が別々に存在するだけでは足りず、その間をどうつなぐかが問題になる。
英国政府はさらに、長期間仕事から離れている若者へのJobs Guaranteeも始めている。対象となる18〜24歳には、最長6か月、週25時間までの有給雇用を政府が全額負担する。2026年8月には最初の参加者が就労を開始した。2029年までに9万人超への仕事提供を目指している。
ただし、本人が進みたいと考えていても、実際の選択肢が十分とは限らない。
英国でNEET状態にある若者417人を対象とした調査では、84%が就職・教育・職業訓練のいずれかに参加したいと回答している。一方、若者が入りやすい初期キャリア向け求人は過去10年間で49%減少している。
ここに、学校を離れた後の進路問題がある。
不登校や中退、長期離脱の後に必要なのは、「学校へ戻るか」「働くか」という二択だけではない。本人の状態を整理し、教育、職業訓練、就労などの選択肢を比較し、その次の場所へ実際につなぐ過程が必要になる。
今回の英国の事例が示しているのは、支援の有無だけではなく、支援を終えた後にどこへ進めるのかまで設計されているかという問題である。
出典:
Positive News「The race to get more young people in the UK into work, education or training」
NIESR「East Midlands Youth Guarantee Trailblazer」
英国政府「Government’s Jobs Guarantee turns promise into paycheques for young people」

