教員の転職事例227件、年収減は114件 -日本-

民間運営の「教員転職データベース」は、2026年10月22日時点の集計として、教員から民間企業や行政職などへ転職した227件の事例を掲載している。

転職前後の年収を比較すると、年収が上がった事例は69件、下がった事例は114件、変わらなかった事例は44件だった。

掲載事例の約半数で年収が下がっている一方、転職後の満足度は5段階平均で3.9となっている。

ただし、これは転職経験者が回答した事例を運営者が集めたものであり、全国の教員転職者を無作為に抽出した統計ではない。

今回確認できたのは、10月22日時点の掲載データと、個々の転職経験者が報告した仕事内容・収入・働き方の違いである。

目次

年収は平均561万円から538万円へ

掲載データによると、転職時の平均年齢は32.9歳、平均教員歴は10.2年だった。

年収の平均は転職前561万円、転職後538万円で、差は23万円となる。

年収が下がった114件は全体の50.2%、上がった69件は30.4%、変わらなかった44件は19.4%に相当する。

ただし、これらの割合は掲載事例内の構成比であり、全国の教員が転職した場合の確率ではない。

また、平均年収は回答が得られた事例を基に算出されている。退職金や将来の昇給、生涯収入まで比較した数字ではない。

教員を辞めた後の収入を考える際には、転職直後の年収だけでなく、その後の昇給や雇用条件も確認する必要がある。

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特別支援学校から行政職へ転職した33歳の事例

個別事例では、公立特別支援学校で10年間働いた33歳の教員が、行政職へ転職した経験が掲載されている。

転職前の年収は660万円、転職後は610万円だった。

年間収入は50万円減少した一方、本人の回答によれば、月60時間程度だった残業は20時間程度になった。

転職活動には8か月を要し、応募12件、書類選考通過7件、面接4件、内定2件という結果だった。

この人は、学校で個別の指導計画を作成し、保護者や関係機関との調整を担当していた。

行政職への転職では、そうした経験を文書作成や関係者との調整能力として説明したという。

ただし、希望していた福祉関連部署ではなく、最初は予算を担当する部署に配属された。

年収と労働時間だけでなく、希望する仕事に就けるかどうかにも違いが生じた事例である。

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中学校教員からIT企業の法人営業へ

別の事例では、公立中学校で社会科を担当していた28歳の教員が、IT企業の法人営業へ転職している。

教員歴は6年。転職前の年収は520万円、転職後は570万円だった。

転職活動には5か月を要し、24件の応募から2件の内定を得たという。

本人は、学校で保護者対応や生徒指導を経験していた。

転職先では、相手の状況を聞き取り、説明方法を調整する経験が営業活動にも関係したと回答している。

一方、転職後には営業目標の数字に慣れるまで苦労したとも述べている。

年収は50万円増加したが、仕事内容には新しい負担が生まれている。

転職先は教育関連企業だけではない

掲載227件の転職先には、事務・バックオフィス、カスタマーサクセス、キャリアアドバイザーなどが含まれる。

転職先の業界では、教育・EdTechが65件、IT・SaaSが31件、メーカーが23件となっている。

教員経験を生かす仕事は、学校で授業をする仕事だけではない。

学校で培った説明力、調整力、情報管理、進路相談などの経験が、異なる職種でどのように評価されるかという問題がある。

ただし、掲載件数が多い職種を、転職しやすい職種と判断することはできない。

実際の求人件数や応募者数、採用率は別の情報だからだ。

227件の数字をどう読むか

運営者は、掲載事例について、実際に転職した本人の回答を基にしていると説明している。

学校名や自治体名など、個人を特定できる情報は掲載されていない。

そのため、個々の年収や職歴について、外部から独立して確認することには限界がある。

また、転職に成功した人の経験が中心となるため、転職活動を途中でやめた人や、希望する仕事に就けなかった人の状況は、この集計から判断できない。

今回の数字は、転職希望者全体の成功率を示すものではない。

教員本人が比較できる三つの条件

今回の事例からは、教員が別の仕事を考える際に比較すべき条件が見える。

第一は、収入である。

転職直後の年収だけでなく、将来の昇給や退職金、各種手当も比較する必要がある。

第二は、仕事内容である。

教員経験が評価されても、転職先で希望する業務を担当できるとは限らない。

第三は、生活時間である。

年収が下がっても、残業や休日出勤が減ることで、生活の条件が変わる場合がある。

転職によって何を得て、何を失う可能性があるのか。

今回の227件は全国の教員を代表する統計ではないものの、教員以外の仕事を具体的に比較するための事例資料となる。

出典

教員転職データベース「教員の転職事例データの全体像」(2026年10月22日時点の集計)

教員転職データベース

同サイト「運営会社・監修者情報」

データの収集方法

同サイト「33歳・公立特別支援学校の教員から、官公庁の行政職へ転職した事例」

転職事例 CASE-0602

同サイト「28歳・公立中学校の社会教師から、IT企業の法人営業へ転職した事例」

転職事例 CASE-0601

以上の資料を照合した。掲載件数と年収は2026年10月22日時点の値であり、個別事例の転職時期とは異なる。教員転職データベース

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