親の干渉も関与不足も進路決定を難しくする 高校生1592人-中国-

子どもの進路に親はどこまで関わるべきなのか。

「口を出しすぎない方がよい」と考えて本人に任せる方法もある。一方で、進路を心配するあまり、親が選択肢を絞ったり、決定に強く介入したりすることもある。

中国の高校生1,592人を対象とした研究では、この両極端のどちらにも、進路決定の難しさとの関連が確認された。

北京師範大学の研究者らによる研究が、米国カウンセリング協会の学術誌『The Career Development Quarterly』に掲載された。論文は2026年7月1日にオンラインで初公開され、9月発行の第74巻第3号に収録されている。Wiley Online Library

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「支援」「干渉」「関与不足」の3つを比較

研究が注目したのは、進路に関する親の行動を一括して「親の関与」と考えなかった点だ。

研究チームは、親の行動を「支援」「干渉」「関与不足」に分け、高校生が進路を決める際に感じる困難さとの関係を分析した。

結果は明確だった。

親からの支援が多いほど、進路決定の困難さは低かった。一方、親からの干渉と関与不足は、どちらも進路決定の困難さの高さと関連していた。 Wiley Online Library

つまり、「親が決めすぎる」ことだけが問題なのではない。

「本人のことだから」と親がほとんど関与しないことも、進路を決めやすくするとは限らないという結果だ。

支援は「本人が決める力」とも関連

研究では、キャリア意思決定自己効力感も調べている。

これは、自分には進路や職業について必要な情報を集め、選択肢を検討し、決定していくことができるという感覚に関係する。

分析では、親からの支援と進路決定の困難さとの関係を、この自己効力感が部分的に媒介していた。

また、本人のレジリエンスが高いほど、親からの支援とキャリア意思決定自己効力感とのプラスの関係が強くなっていた。

一方、親の干渉と関与不足については、同じ媒介関係は確認されなかった。Wiley Online Library

「任せる」と「放っておく」は違う

この研究は、親子の進路選択を「干渉するか、しないか」という二択で考える難しさを示している。

親が進路を決めれば、本人が考える余地が小さくなる。

しかし、親が完全に手を引けば、本人だけで情報収集から比較、判断までを背負うことになる。

その中間にあるのが「支援」である。

選択肢について一緒に調べる。本人の考えを聞く。判断に必要な情報を整理する。困ったときには相談に乗る。

ただし、最後の選択そのものまで親が引き取らない。

これは、SK進路×子育て講座で扱う「親が選ぶ→本人と考え責任を渡す」という役割の変化とも重なる。

責任を本人へ渡すことは、親が何もしなくなることではない。

人材育成に置き換えれば、権限を渡す一方で、必要な情報提供や1on1を続けることに近い。裁量を本人に持たせながら、判断できる環境をつくるという関係である。

今回の研究は中国の高校生1,592人を対象にしたものであり、日本の親子へそのまま当てはめることはできない。また、研究結果は関連を示したものであり、親の行動が進路決定の困難さを直接引き起こすと断定するものではない。

それでも、「干渉しないこと」と「支援すること」は同じではないという点は、子どもへ進路の主導権を移していく際の重要な材料となる。

親が決めるのでも、親が離れるのでもない。

本人が決める。そのために親が支える。

進路選択期の親子には、この役割分担がある。

出典:Su C, Huang X, Huang P, et al. The Relationship Between Career-Specific Parental Behaviors and Career Decision-Making Difficulties Among Chinese High School Students: The Role of Self-Efficacy and Resilience. The Career Development Quarterly, Vol.74, Issue 3, pp.250–261. First published 1 July 2026. Wiley Online Library

Wiley掲載論文

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