山梨労働局は2026年9月7日、「中高年世代活躍応援プロジェクト」の求職者向け企画として、就活ノウハウセミナーと合同企業説明会の開催を公表した。セミナーは10月30日、合同企業説明会は11月10日に甲府、11月17日に富士吉田で開かれる。対象は、就職氷河期世代を含む概ね35〜59歳の中高年世代だ。
今回の企画で重要なのは、求人を紹介する場だけが用意されたのではなく、応募前の準備と企業との直接対話が別の機会として組み合わされている点にある。山梨労働局の案内によると、就活ノウハウセミナーは転職・再就職活動の進め方を扱い、合同企業説明会では中高年採用に前向きな企業と求職者をつなぐ。山梨労働局の特設ページには、ハローワーク甲府に中高年層を対象とする専門窓口が設置されていることも示されている。
この支援の背景には、国の対象拡大がある。従来の就職氷河期世代に限った枠組みは、2025年度から「就職氷河期世代を含む中高年世代」へ広げられた。支援の考え方も、単発の職業紹介ではなく、相談、リスキリング、就職、定着までを切れ目なく支える方向へ移っている。山梨県協議会の設置要領は、画一的な支援ではなく、一人ひとりの事情と地域の実情に即したメニューを構築し、積極的に届ける必要があるとしている。
山梨県が2025年度計画で用いた推計では、県内の「不安定な就労状態にある人」は1万1,000人、「就業を希望しながら長期にわたり無業の状態にある人」は2,566人だった。ただし、いずれも2017年の就業構造基本調査を基礎にした過去推計であり、2026年現在の人数ではない。数字の大きさは課題の存在を示す参考にはなるが、現在の実態をそのまま表すものとしては扱えない。
支援対象には、非正規雇用を続けてきた人や長期無業の人だけでなく、家族ケア、組織上の役割、長く続けた仕事などが変化し、次の働き方を決め直す必要が生じた人も重なり得る。すぐに応募先を決められない場合でも、先に自分の経験や条件を整理し、その後に企業の仕事内容や求める人物像を確かめる順序は有効だ。従来の肩書や役割をそのまま次の職種名に置き換えるのではなく、何を続け、何を変えるかを比較できるからだ。
一方、9月7日時点で公表されているのは開催予定と参加案内が中心である。参加者数、採用件数、就職後の定着率、希望条件との一致度などの成果はまだ確認できない。イベントの存在だけで再就職の有効性が証明されたわけではなく、今後は参加実績と就職・定着の結果を分けて見る必要がある。
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