大学選びで親の関与が終盤ほど強まる、1,800人調査-米国-

米国では、大学選びにおける親の関与が、進路決定に近づくほど強まっている。

教育調査・支援会社Encouraが2026年9月17日に公表した年次調査は、全米の保護者・後見人約1,800人の回答を分析したものだ。今回の発表では、ミレニアル世代の親と、それ以前のX世代の親の違いに焦点を当てている。

調査によると、ミレニアル世代の親はX世代よりも子どもの大学探しを主導する傾向が強く、その関与は、情報収集の初期よりも出願・入学の決定が近づく段階で強まっていた。

あわせて読みたい
やりたいことをみつける、大人進路ステーション 大人進路STATION もうひとつのキャリプランとは WHAT WE DO 「何か変えたい。変化させたい」 そんな時、一度立ち止まって方向性を考えてみる。 個の時代、心の時代 「自...

ミレニアル世代の親の半数超は、子どもが高校10年生になるまでに大学について考え始めている。72%は、大学側が出願前から保護者に働きかけるべきだと回答した。また、実際に大学から保護者向けの連絡を受けた人の約86%は、情報提供の対象に含まれたことを肯定的に評価していた。

親が重視する項目として挙げられたのは、卒業後のキャリア、学費、教育内容、安全性である。ミレニアル世代の親はX世代よりも、これらについて明確な希望を持つ傾向があった。世帯所得にかかわらず、子どもの大学費用を自分が負担すると考える親の割合も高かった。ただし、実際にX世代より多く支払う予定であるとは限らない。

同社の関連調査では、大学進学を認められた学生の半数超が、最終的な大学選択に親や後見人が影響したと回答している。大学選びは本人だけの意思決定ではなく、費用を負担し、情報を集め、安全性や卒業後の見通しを検討する家族との共同作業になっていることが分かる。

一方、この結果だけで「親の関与が強いほどよい」あるいは「過干渉が増えている」と結論づけることはできない。公表資料は大学の募集・情報提供のあり方を検討する目的でまとめられており、親の関与が本人の納得感、自律性、入学後の適応にどう影響したかまでは検証していない。詳細な抽出方法や全質問項目も公開ページからは確認できない。

SK進路×子育ての観点で重要なのは、親を大学選びから外すことではない。費用、安全性、奨学金、生活条件など、親が担う必要のある判断は残る。問題となるのは、情報を集める役割、費用を引き受ける役割、希望を表明する役割、最終的に選ぶ役割が曖昧なまま、親の関与だけが強まる場合である。

親は選択肢と条件を整理し、本人は学びたい内容、将来像、生活上の希望を言葉にする。親子で負担可能な範囲を確認したうえで、どこまでを共同で決め、どこからを本人に渡すのかを定める必要がある。今回の調査は、進学情報を増やすだけでなく、親子の責任と決定権をどう分けるかが大学選びの課題になっていることを示す材料となる。

出典:Encoura「The New Power Players in College Decisions: Millennial Parents」(2026年9月17日)

😄
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次