キャリア中断後、67%が「新しい方向」に関心-イギリス-

子育てや健康上の事情などで長く仕事を離れた人は、元の職場や職種へ戻ることだけを望んでいるわけではない。英国の社会的企業Career Returnersが公表した「Career Returners Indicator 2026」では、回答者の67%が、経験を新しい形で生かすことに関心を示した。内訳は、別の役割や分野への転換を望む人が42%、全面的なキャリア変更を望む人が25%だった。

調査は2026年1〜3月、仕事への復帰を考えている、または求職中の専門職733人を対象に行われた。回答者の89%は女性、78%は英国在住で、80%は同団体のコミュニティ会員だった。主な中断理由は子育て48%、介護など家族のケア13%、心身の健康10%、解雇9%、複数・その他20%である。子育てと健康上の中断を同じ人が経験した割合は示されていない。したがって、この調査を「子育て中でメンタル不調後の人」だけの結果として読むことはできない。

それでも、役割を優先して仕事を離れた人が、復帰時に何を求めるかは具体的に見える。復帰の主な動機は、金銭面が41%だった一方、意味、仕事上の自分らしさ、充実感など内面的な動機が50%を占めた。将来の仕事で最も重視する項目は、柔軟性28%、やりがい26%、支えのある環境19%で、給与11%を上回った。単に空白前の状態へ戻るのではなく、「どんな条件なら続けられるか」「残りの仕事人生で何をしたいか」を選び直す姿が表れている。

ただし、方向を変えたいという希望と、実際に移れることは別問題だ。求職を始めた回答者の99%が専門職への復帰を難しいと感じ、74%は「非常に難しい」と答えた。40%は履歴書の空白に対する採用側の偏見を最大の壁とし、89%は中断によって自信が下がったと回答した。一方、80%は中断中に正式な学び直しを行い、45%は専門性を生かすボランティア、52%は小規模な仕事や自営などを経験していた。

2026年9月には、IZA@LISER Networkが別の関連研究を公表した。専門の採用担当者が1,176件の架空LinkedInプロフィールを評価した事前登録済み実験で、メンタルヘルスを守るため自ら仕事を中断した応募者も、バーンアウトによる中断者と同程度の採用上の不利益を受けた。採用側は中断を、能力低下や「仕事を最優先する人」という期待からの逸脱として読み、本人が長く働くために行った選択とは捉えにくかったという。ただし、これは査読前のディスカッションペーパーであり、子育て世代に限った研究でもない。

尽くしすぎた後に日常を取り戻した子育て世代にとって、進路を考え直すことは治療や復職訓練とは異なる課題である。今回の二つの調査が示すのは、次の方向を選びたい人が少なくないことと、その選択が本人の意欲だけでは進まないことである。元に戻るか、経験を別の形で生かすか、全く違う道へ移るか。まず希望と続けられる条件を分けて言葉にし、その後に求人、学び直し、家庭との両立条件を照合する必要がある。

出典:Career Returners Indicator 2026、IZA Discussion Paper No.18927(いずれも2026年9月17日確認)

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