*STEMは、**Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)
製造業・技術職・エンジニア職などへの復帰や転換に関係する分野です
英国北東部のハル市は2026年9月7日、製造・技術分野への転換を考える女性向けのキャリアイベントを発表した。仕事を中断した後に復帰しようとする女性も対象に含む。イベントは10月6日、ハル市庁舎で開かれる。参加は無料で、主催団体の案内では事前登録を受け付けている。

企画するのは、ハル市の地域産業支援事業Green Port Hullの一部であるWomen into Manufacturing and Engineering(WiME)だ。WiMEは2026年に設立10周年を迎えた。今回の対象は、別業種から転職したい女性、仕事の中断後に復帰したい女性、学校・大学で学ぶ女性、進路支援者などである。中高年だけに限った催しではないが、家族ケアなどで長く職場を離れた人も参加対象として明記された点に意味がある。
会場にはハンバー地域の主要企業がおよそ20社集まる予定だ。参加者は、実際に製造・技術分野で働く女性に仕事内容を聞き、現在の求人、必要な訓練や資格、見習い制度について確かめられる。さらに、意思疎通、チームで働く力、指導力、問題解決力など、業種を越えて使える経験を整理する無料セッションも用意される。
これは、すぐ応募先を一社に決めるだけの場ではない。これまで家庭、介護、事務、管理などで担ってきた経験のうち、別の仕事でも使えるものは何かを整理し、仕事の実像、入口、学び直しの必要量を同じ場所で比較できる。役割が変わった後に「この先どうするか」を考える人にとっては、職種名だけで判断せず、人・求人・訓練の三つを確かめる機会となる。
地域側にも背景がある。ハル市によると、ハンバー地域では製造業が雇用の約17%を占め、イングランド全体の7.2%を大きく上回る。一方、女性は製造・技術職で少数である。英国国家統計局が2026年8月18日に更新した労働力調査では、同年4~6月の製造業就業者は女性76万9千人、男性190万9千人だった。両系列を単純合計すると、女性は約29%となる。これは英国全体の製造業を対象にした未調整値で、ハンバー地域だけの比率ではない。
職場復帰には、求人情報だけでは解けない壁もある。英国政府が2024年に公表したSTEM分野の復帰支援事業の評価では、2023年時点で、介護や育児のため1年以上離職し、STEM職へ戻る意向を持つ人は約5万8,100人と推計された。その71%が女性で、34%は5年以上仕事を離れていた。この数字は今回のイベント参加者数や成果ではなく、過去の全国的な背景資料である。
開催時刻は公式ページ間で表記が一致していない。ハル市の発表は午後3時30分~6時、主催団体の申込案内は一般来場を午後4時~6時としている。参加する場合は登録時に開始時刻を確認する必要がある。また、現段階で公表されているのは開催予定と内容であり、参加者数、採用数、訓練開始数、就職後の定着率はまだ分からない。説明を聞いたこと自体を職種転換の成果とみなすことはできない。
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