親の期待が高いほど学業の立て直し力が低い 217人-インドネシア-

親が子どもに期待することは、必ずしも悪いことではない。進学や学習を支え、将来の可能性を広げる力にもなる。

一方、その期待を子ども本人がどう受け取っているかによって、日常的な失敗や成績低下から立て直す力との関係が変わる可能性がある。

2026年9月30日、インドネシアの「Jurnal Education and Development」に、親からの期待と高校生の「Academic Buoyancy(学業上の立て直し力)」の関係を調べた研究が公開された。対象は、MAN Insan Cendekiaに在籍する11、12年生217人である。Jurnal IPTS

親の期待と「失敗から戻る力」を調査

Academic Buoyancyとは、大きな逆境を乗り越える力だけを意味するものではない。

テストで思うような点が取れない、課題が難しい、学習が計画どおり進まない、学校生活でプレッシャーを感じるといった、日常的に起こる学業上の困難に対処し、再び取り組む力を指す。

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今回の研究対象となったMAN Insan Cendekiaは、学業上の要求が高い全寮制の学校であり、研究者らは学校側からの要求に加えて、親からの期待も生徒が感じるプレッシャーになり得ることに着目した。Jurnal IPTS

研究では、生徒が認識する親からの期待とAcademic Buoyancyをそれぞれ尺度で測定した。

その結果、親からの期待とAcademic Buoyancyとの間には、r=-0.743という強い負の相関が確認された。統計的にも有意な関連だった。Jurnal IPTS

つまり、この217人では、親からの期待を高く感じている生徒ほど、日常的な学業上の困難から立て直す力が低い傾向にあった。

ただし、これは一時点を調べた相関研究であり、「親の期待が高いから立て直し力が低下した」という因果関係を証明したものではない。

問題は「期待するか、しないか」の二択ではない

この研究が興味深いのは、親の介入量や過干渉そのものを調べた研究ではなく、子どもが親から何を期待されていると感じているかに焦点を当てている点だ。

親は「この子ならできる」「可能性を伸ばしてほしい」という応援として伝えているかもしれない。

しかし本人側では、「失敗できない」「期待された結果を出さなければならない」と受け取る可能性もある。

同じ「期待」でも、親が意図した意味と、本人が受け取った意味が一致するとは限らない。

ここに、親の期待と本人の結果・納得感のズレという問題がある。

成績だけでなく、失敗した後を誰が担うのか

進路を考える場面でも、この違いは重要になる。

親が「この学校へ行ってほしい」「この成績ならこの大学を目指せる」「この仕事の方が安定している」と選択肢を示すこと自体が問題なのではない。

問われるのは、その期待が本人自身の目標になっているかである。

親の期待によって目標が決まり、親の指示によって行動し、失敗したときも親が修正する状態が続けば、本人が自分で判断し、試し、失敗し、立て直す経験を持ちにくくなる。

一方で、親が持っている情報や経験を渡しながら、本人が目標を選び、実行し、結果を振り返る形もある。

これは「親が何もしない」ということではない。

親が期待を持つことと、最終的な目標や判断を本人へ渡すことは両立し得る。

SK進路×子育てで考えるなら、今回の研究は「過干渉をやめる」という話よりも、親が持つ期待と、本人が自分で引き受ける目標をどう分けるかという問題に近い。

進学や将来を考える時期には、「親は何を期待しているか」だけでなく、「本人は何を目指したいのか」「うまくいかなかったとき、本人自身がどう立て直すのか」まで親子で確認することが、役割を本人へ移していく一つの材料になる。

出典:Jurnal Education and Development、2026年9月30日公開。Jurnal IPTS

研究原文「Hubungan Perceived Parental Expectations dan Academic Buoyancy」

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