ニート若者、訓練後19週間の有給就労へ-カナダ-

カナダで、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していないNEETの若者を、事前訓練から有給の職場経験まで段階的につなぐ新しい受け入れが始まった。

大西洋岸のプリンスエドワードアイランド州などで実施されている「ASCEND」の2026年秋期コホートで、9月28日から事前訓練が開始された。対象は15〜30歳のNEET状態にある若者である。CSNPEI

今回の仕組みで特徴的なのは、仕事をしていない若者を直接求人へ送り込むのではなく、まず70時間の就労前訓練を置いている点だ。

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訓練は3週間のオンライン形式で行われ、参加者には最低賃金相当の訓練手当が支払われる。その後、非営利団体や慈善団体など地域の組織と本人をマッチングし、19〜21週間の有給就労へ移る。職場での賃金も州の最低賃金相当が100%補助される。CSNPEI

単に訓練を終えて仕事を紹介するだけでもない。

参加前には担当者が若者と受け入れ団体の双方から、必要な配慮、本人が抱える障壁、現実的に働ける条件などを確認する。その情報を踏まえ、地域や本人の必要性などを考慮して職場を組み合わせる。就労開始後も担当カウンセラーが若者と毎週連絡を取り、受け入れ側とも継続してやり取りする。CSNPEI

つまり、

「ニート状態→就職」

と一度に移すのではなく、

「就労前訓練→本人と職場のマッチング→有給就労→就労中の伴走」

という複数の段階を設けている。

ここでいうNEETは「Not in Employment, Education or Training」の略で、仕事、教育、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指す。日本の「ひきこもり」と同義ではない。家から外出している人や求職活動をしている人も含まれる。

一方でASCENDは、単にNEETという分類だけを見るのではなく、若者ごとに障壁や必要な配慮を確認している。

参加者が働く場所も一般企業だけではない。

今回の受け入れ先は、ニューファンドランド・ラブラドール州、ノバスコシア州、ヌナブト準州、プリンスエドワードアイランド州の非営利団体や慈善団体などである。地域活動に関わりながら仕事を経験し、技能を身につける設計となっている。CSNPEI

この構造には、学校や仕事を離れた若者の「この先どうするか」を考えるうえで重要な中間段階がある。

長期間働いていない人にとって、求人を見つけることと、実際にその職場で働き続けられることは別の問題である。

自分にはどのような仕事が合うのか。どのような配慮があれば働けるのか。職場で何が難しくなるのか。それを実際の就労前後で確認できる。

さらに、事前訓練にも手当があり、その後の職場経験も有給となる。参加者に無償で長期間の「準備」を求めない点も特徴である。

ASCENDは、カナダ政府のYouth Employment and Skills Strategyの資金を受けた事業である。2026年秋期は4回目のコホートとなり、9月28日に訓練を開始した。就労配置は10月19日から順次始まる予定となっている。CSNPEI

ニート状態からの進路では、就職そのものだけでなく、そこへ至る途中をどう設計するかが問題になる。

今回のカナダの取り組みは、訓練、職場選択、実際の就労、就労後の伴走までを一つにつなぎ、若者が実際に働きながら次の進路へ移る仕組みとなっている。

出典
Community Sector Network of PEI「ASCEND Program」
ASCEND公式サイト

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