教員の転職は、「今の学校が嫌だから辞める」という形だけではない。前任校で楽しく働きながら、別の学校へ移る選択をした教員の事例が公開された。
2026年9月28日、教員の働き方を扱う番組「Teacher’s[Shift]」第286回が公開され、関東学院六浦中学校・高等学校の犬塚孝一教諭が、前任校から現在の学校へ転職した経緯を振り返った。番組では、前の学校でも楽しく仕事をしていた教員が、なぜ学校を移ろうと考えたのか、実際に移ってどうだったのか、さらに学校を移ろうか迷っている教員への考えが扱われている。ICT教育ニュース

犬塚教諭は2026年現在、教員20年目。2024年度に東海大学付属相模高等学校・中等部から、自身の母校でもある関東学院六浦中学校・高等学校へ転職した。技術科を中心に、理科・数学・情報・工業の教員免許を持ち、前任校では学校ICT化に携わっていた。現在も総務部ICT担当として学校全体のICT運用・管理を担当し、中学2年の担任と技術科の授業を受け持っている。ICT教育ニュース
今回の事例で特徴的なのは、転職前の職場を否定することから始まっていない点だ。
公開情報では、犬塚教諭自身が前任校でも「楽しく仕事をしていた」と紹介されている。それでも学校を移るという判断が成立している。つまり、教員の進路変更は「今の職場に耐えられるか」という軸だけでは捉えられない。ICT教育ニュース
教員を続けながら、勤務する学校を変えるという選択肢がある。
前任校で担当していたICT化の経験は、転職によって途切れたわけでもない。現任校でも学校全体のICT運用・管理を担っており、これまで蓄積した経験を別の環境へ持っていく形になっている。前編では、Googleや校務支援システムを活用し、紙をほとんど使わない校務や、クラウド活用による教員負担の変化についても取り上げられた。ICT教育ニュース
これは、教員本人の進路を考える際の選択肢を広げる事例となる。
教員の進路というと、現職継続か退職、あるいは教員から別職種への転職という二者択一になりやすい。しかし実際には、同じ教職でも勤務校を変える、学校種を変える、担当領域を変える、これまでの専門性を別の学校で生かすという移動も存在する。
特にメンタル不調や休職を経験した後では、「元の学校へ戻れるか」「教員を辞めるか」だけで判断すると、本人にとって必要な条件の整理が抜ける場合がある。
何が合わなかったのか。教職そのものなのか、勤務先なのか、担当業務なのか、人間関係なのか、勤務条件なのか。逆に、教員として残したい仕事や、次の環境でも生かしたい経験は何なのか。
今回の事例はメンタル不調後の転職事例ではない。しかし、現在の勤務先を離れることと、教員を辞めることは同義ではないことを具体的に示している。
「続けるか、辞めるか」の間には、「教員を続けながら場所を変える」という進路もある。
教員本人がこの先を考える際には、職業としての教員と、現在所属している学校を分けて検討することも、選択肢比較の一つとなる。
出典:ICT教育ニュース「Teacher’s[Shift]File.286 関東学院六浦中・高 犬塚孝一先生(後編)」2026年9月28日公開。ICT教育ニュース
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