学校にも仕事にも参加していない若者が、軍の施設で生活習慣を整え、職業を学び、実際の仕事を経験する。
ベルギー国防省と民間企業が協力する「Reboot4You」の新たな研修が、2026年10月19日に開始予定となっている。
対象は18〜25歳のNEET状態にある若者など。期間は約6か月で、軍施設での共同生活、職業選択、専門訓練、実習を組み合わせる。
特徴は、軍人になるための訓練ではなく、一般企業への就職や職業訓練への接続を目指すことだ。
144人が参加、約70%が仕事か訓練へ
Reboot4Youは、2024年4月から実施されている社会・職業再接続プログラムだ。
2026年7月1日のベルギー議会で、テオ・フランケン国防相は、それまでに144人が参加し、約70%が仕事または教育・訓練につながったと説明した。

就職と訓練への移行を合算した数字であり、70%全員が就職したという意味ではない。
国防相は、このうち国防省での仕事につながった人もいると述べている。
ただし、就職後の定着率や、参加を途中でやめた人の詳しい内訳までは、この答弁から確認できない。
最初は軍施設で共同生活
新たな研修は、ベルギー国防省の案内によると約6か月間。
最初の4週間は、集団への参加と職業探索の期間だ。
参加者は原則として月曜日から金曜日まで軍施設で生活し、規則正しい生活、他者との協力、コミュニケーションなどを経験する。
その後、関心のある職業分野を選び、約6週間の専門訓練を受ける。
対象分野には、建設、機械整備、物流、飲食関連などがある。
続いて約15週間、国防省の施設で実務を経験する。
軍人の指導を受けるが、軍事訓練を受けたり武器を扱ったりする制度ではない。
本人が職業を選ぶ仕組み
Reboot4Youでは、最初から就職先を決めるのではなく、職業探索の期間を設けている。
参加者は職業分野について説明を受け、コーチと相談しながら専門訓練を選択する。
プログラムでは、参加者5人につき少なくとも1人のコーチを配置する方針だ。
参加者を紹介した地域の支援団体も、研修中の状況を継続して把握する。
職業訓練の後には修了証明書が発行され、一般企業や国防省への就職活動に活用できる。
ただし、修了証明書が自動的に雇用契約につながるわけではない。
生活費の支援も組み合わせる
ベルギー国防省の案内では、参加者は求職者としての資格や既存の給付を維持しながら、月額583ユーロの追加手当を受けられる。
研修期間中の医療保障や公共交通機関の無料利用も用意されている。
参加条件には、18〜25歳であること、ベルギーに一定期間居住していること、オランダ語またはフランス語を使用できること、保安審査を通過することなどがある。
誰でも参加できる制度ではない。
特に軍施設での共同生活には一定の適応が必要となるため、長期間自宅から出られないひきこもり状態の人が、そのまま参加できるとは限らない。
支援終了後に別の道も残る
この事業で重要なのは、参加者が職業を学び、実際に試してから次の行き先を考えられることだ。
半年間の活動で、ある職業が自分に合うと分かる人もいれば、別の分野に関心を持つ人もいる。
仕事へ進むだけでなく、さらに訓練を受けるという選択肢もある。
運営団体の案内では、途中で参加を終了しても、開始前の社会保障上の資格を維持し、再参加できる場合があるとしている。
一度の参加で就職まで到達できなかった人にも、再び試す道を残している。
一方、参加を希望しない若者や、集団生活が難しい若者への代替手段については、このプログラムだけでは対応できない。
また、今回の10月19日開始分について、実際の参加人数や修了後の成果はまだ確認できない。
ニート状態の後に何を選べるか
Reboot4Youは、長期間学校や仕事から離れた若者が、生活、学習、仕事を段階的に経験する制度だ。
2026年7月時点で公表された約70%という数字は、就職だけでなく教育・訓練への移行も含んでいる。
社会参加を再開した後、必ずしもすぐに就職する必要はない。
職業を知り、試し、必要ならさらに学ぶ。
ベルギーの取り組みは、ニート状態からの再接続を一度の就職活動で終わらせず、複数の段階に分けている。
出典
- ベルギー国防省「Reboot4You」公式案内(2026年10月19日開始予定)
- Reboot4You運営団体「De visie」「Doe mee!」
- ベルギー連邦議会・国防委員会(2026年7月1日、フランケン国防相答弁)

