教員が現在の学校を離れるとき、選択肢は「別の公立学校へ移る」か「教員そのものを辞める」だけではない。
2026年9月28日時点で、教員免許・教職経験を生かせる求人を集約する「ティーチャーズキャリア」には、全国47都道府県の440校・法人から650件の求人が掲載されている。直近30日だけでも新着求人は302件となっている。ティーチャーズキャリア
運営元による集計では、650件の内訳は専任教諭305件、教授・准教授・助教91件、非常勤講師79件、常勤講師13件などとなっている。
設置・勤務先の区分では、私立450件、国立92件に加え、教育関連企業が61件含まれている。公立学校以外にも、学校を変える、雇用形態を変える、教育関連企業へ移るといった複数の経路が同じ求人市場に存在していることが分かる。ティーチャーズキャリア

「教員を続けるか辞めるか」だけではない
この数字が教員本人の進路を考える材料になる理由は、求人件数そのものより、その中身にある。
現在の学校で働き続けることが難しくなった場合、進路を「復職・現職継続」と「教職からの完全離脱」の二択にすると、その間にある選択肢が見えにくくなる。
今回確認できる求人には、専任教諭だけでなく、非常勤講師や常勤講師、大学等の教員、教育関連企業が含まれている。
つまり、教員として別の学校へ移るだけでなく、勤務時間や雇用形態を変える、学校教育との距離を変える、教員免許や教職経験を別の教育分野で使うという選択も実際に存在する。
特に、休職やメンタル不調を経験した後に進路を考える場合、「教員を続けられるか」という職種だけの判断では十分ではない。
フルタイム勤務を続けられるか。
担任業務を担えるか。
校務分掌を含む働き方が合うか。
学校という環境は残したいのか。
教育には関わりたいが、学校勤務からは離れたいのか。
同じ「教員経験を生かす」という条件でも、必要となる働き方によって選択肢は変わる。
教科によっても選択肢の量は違う
9月28日時点の掲載求人を教科別に見ると、英語216件、理科189件、数学174件、国語173件、社会133件、情報112件などとなっている。養護教諭30件、美術29件、音楽18件、家庭18件など、教科による差も大きい。ティーチャーズキャリア
地域別でも東京都125件、埼玉県39件、大阪府32件、千葉県30件、愛知県29件と偏りがある。
したがって、「教員経験を生かした仕事があるか」という問いだけではなく、自分の免許、教科、地域、希望する雇用形態を組み合わせて現実の選択肢を確認する必要がある。
また、掲載650件は日本の教員向け求人市場全体を示す公的統計ではない。運営事業者が各学校・法人の公式募集要項を収集した時点での掲載件数であり、求人市場全体の規模として解釈することはできない。ティーチャーズキャリア
それでも、現在の学校を離れることと、これまで積み上げた教員経験を捨てることが同じではないことは具体的に確認できる。
復職する。今の学校に残る。別の学校へ移る。非常勤などへ働き方を変える。学校外の教育分野へ移る。教育そのものから離れる。
教員本人の進路再設計では、最初から一つに決めるのではなく、こうした選択肢を並べたうえで、自分が今後も残したい条件と、変える必要がある条件を比較することが判断材料となる。
出典:ティーチャーズキャリア「全国の教員求人一覧」、2026年9月28日時点。

