米教員31%「1年以内に離職の可能性」-アメリカ-

米国で、新学期を迎えた教員の約3人に1人が、今後1年以内に教職を離れる可能性があると回答した最新調査が公表された。

全米教員連盟(AFT)が2026年9月2日に発表した調査である。調査会社Grow Progressが8月13~24日、AFTに所属するK-12教員2,112人を対象に実施した。結果はAFTのK-12教員構成に合わせて加重され、95%信頼水準での誤差は±2.13ポイントとなっている。 American Federation of Teachers

調査では、31%が「今後1年以内に教職を離れる可能性がある」と回答した。

同時に、週単位のストレスを10段階で尋ねたところ、約3分の2が7以上と回答した。自分の子どもに教員という仕事を勧めると答えた人は36%にとどまった。 American Federation of Teachers

離職の可能性が高い教員が挙げた主な理由には、ストレスと支援不足があった。給与が教育歴や業務量、生活費に見合わないという回答も出ている。 American Federation of Teachers

今回の調査で特徴的なのが、本業以外の仕事との関係だ。

回答者の40%超が副業をしていた。人種別では黒人教員58%、ラテン系教員42%、白人教員39%となっている。 American Federation of Teachers

これは単に「給与が低い」という問題だけではない。

教員として勤務した後、さらに別の仕事をすることになれば、休息や家庭生活、翌日の授業準備に使える時間も変わる。もともとの業務負担と生活上の経済負担が重なれば、「教員を続けたいか」だけではなく「この働き方を続けられるか」という問題になる。

今年3月に公表されたGallupの別調査でも、経済的に苦しいと回答した教員の46%が教育以外の副業を持っていた。経済的に苦しく、副業もしている教員のうち「残りのキャリアを教室で働く」と答えた割合は44%だったのに対し、同じく経済的に苦しくても副業をしていない教員では63%だった。 Gallup.com

ただし、今回のAFT調査の「31%」は実際の離職率ではない。

「離職する可能性がある」という本人の意向であり、1年後に31%が実際に辞めることを意味しない。また、対象はAFT所属教員であり、米国の全教員を無作為抽出した調査でもない。この点は数字を扱う際に区別する必要がある。

それでも、教員本人の進路という視点では見逃せない数字である。

教員を続けたいが、現在の給与では生活が成立しない。
教える仕事は続けたいが、ストレスや業務量が持続できない。
副業を減らせる条件なら残れる。
学校や役割を変えれば続けられる。
それとも教員経験を別の仕事で生かすのか。

「離職意向」の中には、こうした異なる状態が含まれている。

教員不足を採用人数だけで見ると、辞めようとしている教員が何を変えれば残れるのかは見えにくい。

教員本人にとっても、「教員を続けるか辞めるか」を考える前に、給与、業務量、職場の支援、副業、生活時間など、何が現在の働き方を持続不能にしているのかを分ける必要がある。

今回の調査は、教員の進路問題が職業への適性だけではなく、「生活として教員を続けられるか」という条件にも左右されていることを示している。

出典
American Federation of Teachers「AFT Survey Shows Teachers Are Stressed, Working Second Jobs and Still Paying Hundreds for Classroom Supplies」(2026年9月2日) American Federation of Teachers
Gallup「One in Five K-12 Teachers Struggle Financially」

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