英国で、教育・雇用・職業訓練のいずれにも参加していない若者、いわゆるNEETの中に、公的な給付制度にもつながっていない大きな層が存在することが明らかになった。
英国国家統計局(ONS)は2026年9月2日、16〜24歳のNEET若者について、給付を受けている層と受けていない層を比較した新たな分析を公表した。分析対象は2021年国勢調査と、その後2025年3月までの雇用・給付記録を結びつけたデータである。
最も注目される数字は、2021年3月時点でNEETだった若者の32.8%が、同月に給付を受けていた記録がなかったことである。男性では37.9%、女性では27.1%だった。
「NEET=公的支援につながっている」ではない
この数字が重要なのは、仕事にも学校にも職業訓練にも参加していない若者が、そのまま行政の給付制度を利用しているとは限らないことを示した点にある。
給付を受けていなかったNEET若者の90.4%は家族と暮らしていた。給付を受けていたNEETでは86.2%だった。また、本人が属する世帯の平均雇用所得も、給付を受けていなかった層では4万4,600ポンド、受給層では2万4,253ポンドだった。
家族と暮らし、一定の世帯所得があることで、給付を申請せずに生活している若者が含まれている可能性がある。
一方でONSは、給付を受けていないからといって、すべての公的・民間支援から完全に離れているとは断定していない。自治体や地域団体など別のサービスを利用している可能性は、今回のデータでは確認できないとしている。
4年後には67%が雇用記録を持つ
今回の分析は、その後の進路も追跡している。
2021年3月にNEETで給付を受けていなかった若者の67.0%には、2025年3月までの年度に雇用記録があった。
これに対し、2021年にNEETで給付を受けていた層では46.2%。2021年にNEETではなかった若者では83.8%だった。
つまり、給付制度につながっていないNEET若者の多くが、その後まったく社会との接点を持たなかったわけではない。
一方で、4年後にも雇用記録が確認できない層が存在することも事実である。
英政府は「見つけられない若者」への対策も開始
英国では、支援対象となる若者を行政側が把握できない問題も顕在化している。
政府は2026年7月、自治体が教育・雇用・訓練の状況を把握できていない16〜17歳が3万2,100人いると公表した。政府はこうした若者を「Phantom NEETs」と表現し、自治体による早期把握を強化している。
さらに2026年秋からは、18〜24歳でUniversal Creditを受給しながら18か月仕事を探している対象者に、週25時間、6か月間の賃金付き就労を提供するJobs Guaranteeを拡大する予定だ。進学先が決まっていない若者を継続教育へ自動登録する試行も進めている。
ここには二つの問題がある。
一つは、支援につながった若者を次の仕事や教育へどう接続するか。
もう一つは、そもそも支援制度の入口に現れない若者をどう把握し、接点を作るかである。
不登校やひきこもりを経験した若者の進路を考える際にも、「制度が存在すること」と「本人が制度につながっていること」は同じではない。
今回の英国の分析は、学校や仕事から離れた後、既存の支援制度の外側にいる若者まで含めて「次にどこへ進むのか」を考える必要性を示している。
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